スキーの板やスノボードを担ぎ、通行禁止区域の登山道を降りてくる愛好者冬期閉鎖中の登山道の通行が禁止されている富士山で、スキーやスノーボードの愛好者が後を絶たない。今年は積雪量が多いこともあり、週末を中心にさながらゲレンデの状態だ。開山前の登山と同様に取り締まる明確な法律が見当たらず、国や県、県警は対応に苦慮している。

愛好者らによると、スキーの板やスノーボードを持って山頂付近まで登った後、滑走しながら駐車場のある5合目まで降りてくるという。5合目に通じる県道が開通する4月下旬から一気に愛好者が増え、6月までにぎわう。スキーやスノーボードを行わないよう、登山道の入り口などに看板が設置されているがどこ吹く風だ。

富士山の斜面は岩や石の凹凸で危険な上、雪崩や落石の恐れがある。富士山の国有林を管轄する静岡森林管理署は「注意喚起してもなくならず、悩ましい問題」と位置づける。
富士山の斜面を滑走するスキーヤー=20日午後、富士山富士宮口多くの愛好者が登山道を利用している。冬期閉鎖中の登山道の通行は道路法で禁止されているが、県道路保全課は「刑事告発には登山道を本当に通ったのかを立証する必要がある。取り締まりは難しい」という。

県警によると、今年に入って28日までに、県内で発生した富士山の遭難事故はスキー中を含めて10件。登山者も一向に後を絶たず、前年同期の4件から2倍以上に増えている。県警幹部は「現行では登山、スキーとも自粛を呼び掛けるしかない」と話す。

関係機関からは登山計画書の提出を義務付けたり、夏季以外の入山を禁止する条例の制定を求める声が挙がっている。
(静岡新聞社)