◇瀬戸内海まで一望
この時期、香川県観音寺市街地から南の方角を望むと、黒々とした尾根の一つの頂に雪が積もっているのが見える。遠目には、細長い白布をペロっと垂らしたようだが、市民には冬を実感する光景でもある。“白布”の正体は県内唯一のスキー場「スノーパーク雲辺寺(うんぺんじ)」だ。人工雪だが、この時期は天然の雪も混じり、好天時には瀬戸内も望める人気のゲレンデだ。

徳島県境の雲辺寺山(標高927メートル)山頂に01年12月にオープンした。全長260メートル、幅50メートルのメーンコースと、そり遊びなどができる「チビッコゲレンデ」(全長45メートル、幅35メートル)がある。3人乗りリフト(全長244メートル)やナイター設備も整える。

総責任者の野崎淳さん(38)は「眺望の良さが最大のセールスポイント。三豊平野から瀬戸内海、しまなみ海道まで一望でき、ナイター営業日は夜景も楽しめます」。

例年、オープン1カ月半前の11月上旬からゲレンデ造りは始まる。造雪機2台のホースから24時間“雪”をまき続け、高さ約5メートルの雪山をいくつも連ねる。ならすと厚さ1メートルほどのゲレンデができる。野崎さんは「人工雪は厳密には『氷』なので、天然の雪よりも滑りやすい」と言う。ゲレンデは平均斜度14度の一枚バーンで、初心者や子ども連れの家族に適している。
「スキーやスノーボードを始めたい」という人には、土日の午前11時〜午後1時に無料開講される、初心者対象のスクール(2月18日はスキーのみ)が便利だ。滑れるようになるまで、一から教えてくれる。

また、有料スクール(2時間、2000円、予約制)では、加地正樹さん(40)さんら全国大会で活躍した3人の指導員がさらに深く教えてくれる。加地さんは「『楽しく笑顔で』がモットーです」と、雪焼けの顔をほころばせる。

◇食事も楽しみに
冷えた体にうれしいのは、レストラン(100席)のうどんやラーメン、丼物といったメニュー。店員の児玉昂介(こうすけ)さん(20)のお勧めは、今シーズンから登場した「焼豚丼」(800円)だ。また、女性に人気なのがケーキ類(300〜350円)。シフォン、イチゴロール、チーズなど数種類あり、どれも手作り。ホットドリンクとともに味わいたい。

スノーパーク雲辺寺には、車では直接行けない。香川県側にある「雲辺寺ロープウェイ」を利用する。高松自動車道・大野原インターから車で約15分で「山麓(さんろく)駅」に着く。駅前にある無料駐車場(400台収容)に車を止め、そこからはロープウエー。スイス製ゴンドラ(定員101人)は、全長2・6キロ、高低差660メートルを毎秒10メートルの高速で進む。ゲレンデからの眺めにもひけをとらない、車窓からの大パノラマに目を見張ること約7分で「山頂駅」に到着だ。

大野原インターから山麓駅までの道路に雪が積もることはまれ。スキー場へ行くのに、雪道を車で走る心配がほとんどないというのはありがたい。

山頂付近の冬場の平均気温は氷点下4〜5度という。身を切るような極寒の白銀の世界から、穏やかな瀬戸内海を望むギャップも一興だ。

営業は3月11日までの予定。その間は無休。午前9時〜午後5時。水、金、土曜日はナイター(午後6〜10時)も。スキーやスノーボード、ウエアのレンタルもある(有料)。女性用のパウダールームも備える。香川県観音寺市大野原町丸井1974の57。電話0875・54・3805。
(毎日新聞)