「雪の上での遊び方はスキー、スノーボードだけというイメージ」「地域の質を上げないと足を運ぶ気持ちになれない」−。長野にスキーが伝えられて100年になるのを記念して県や県索道事業者協議会など56団体でつくる「『スノーリゾート信州』プロモーション委員会」が開いた県スキー発祥100周年記念式典・シンポジウムで、観光の専門家やアウトドアスポーツのプロたちから厳しい指摘や注文が相次いだ。

県内のスキーの歴史は、明治45(1912)年1月に飯山市の飯山城跡で飯山中学校の教諭が初めてスキーの滑走をしてから始まった。経済の成長とともに都市圏からのスキー客の流入で栄えた県内のスキー場だが、利用者は平成4年度の2119万人をピークに昨シーズンは663万人にまで減少した。
シンポジウムには200人近いスキー場や行政関係者らが詰めかける中、パネリストから厳しい意見が続出。スイス・ツェルマットでの経験をもとに「観光カリスマ」として活躍する山田桂一郎さんは「なぜ減少していったのか、近年のサービスがどうだったのかしっかりとらえ直すべきだ」と指摘。「100年以上先を見据えた明確なテーマコンセプトを決め、食や宿、スポーツを提供すべきで、足元を見つめて質を上げてほしい」と地域全体で取り組む必要性を訴えた。

また観光ジャーナリストの千葉千枝子さんは「若者はスキーに興味を持っても実際に足を運ぶほどではない。かつてスキーを楽しんだ女性たちも独身時代のようなライフスタイルに戻れないのが現状だ」と分析。アウトドアライターの福瀧智子さんは「この時期の駅のポスターは視覚的にもスキー、スノーボード一色。私には関係ないと思う人が多いのでは」とした上で、「ゲレンデだけでなく、もっと雪の楽しさに厚みをつけたPRが必要」とアドバイスした。
(産経新聞)