ホスピタリティパートナーズの田中章生代表取締役(写真:産経新聞)■もてなし精神でスキー場再生

若者のスキー離れが続く中、魅力的なスキー場に再生する事業に力を入れている。

学生時代からスキーが好きで、早稲田大学在学中に山形市の蔵王温泉スキー場にあるロッジ(山小屋風ホテル)に住み込み、料理や掃除などを手伝いながら、仕事が空いた時間に滑っていた。そこで学んだのが、心を込めて客をもてなせば豪華な料理でなくても満足してくれることだった。

起業前は、米投資ファンド運営会社のローンスターグループに勤めて、ホテルなどを再建した。ただ、経営不振の投資先企業を再生し利益が出たら短期で売り飛ばす方法に疑問を感じた。従業員や客の立場に立ち「魂を込めた再建」を長期でしたいと考え、独立を決意した。起業後は、平成19年からスキー場の運営・再生に携わり、現在5施設に関わっている。
たとえば、赤字経営続きの湯沢中里スキー場(新潟県湯沢町)を買い取り、21年から経営改善を始めた。

改善策の一つが、「お客さま」という接客用語を徹底させること。加えて、リフト乗車を手助けする係などのスタッフが笑顔で客に話しかけるよう助言した。さらに、独立していた社員食堂を廃止し、レストラン厨房(ちゅうぼう)に隣接するスペースで客と同じメニューを食べるようにした。味が分かれば、料理を題材に客との会話が弾む。

その結果、22年8月期の来場者数は前期比14・4%増の約12万人に増え、償却前損益(返済可能利益)が8年ぶりに黒字転換した。実績を生かし、新たに5つの再生案件の獲得を狙いたい。
(産経新聞)