東北各地のスキー場では被災者向けのプランを打ち出すところも=岩手県奥州市の越路スキー場で東北三県のスキー場に、東日本大震災や原発事故が影を落としている。シーズン本番を迎えたが、福島県では団体客の申し込みが激減し、頭を抱える所も。来客数では好調な宮城や岩手のスキー場では、被災者に配慮した企画を打ち出すなど、震災後ならではの工夫も見られる。

◆福島
福島第一原発から八十キロ、天栄村のグランディ羽鳥湖スキーリゾートは、来客が例年の六〜七割に落ち込んでいる。毎日営業していた併設ホテルは土曜日だけの営業に。他の日は団体予約があったときに営業するが、予約は例年の半分ほどしかない。

放射線量は毎時〇・〇五〜〇・〇八マイクロシーベルトと落ち着き、ホームページで毎日公表しているが「福島にあるというだけで…」とスタッフ。関東に近い利点も、今年は東北自動車道の無料化により「より遠くのスキー場の方がお得感があるよう。今年はどうにもならない」とため息をつく。

原発から七十キロのあだたら高原スキー場(二本松市)の客は例年より三割ほど少なく、日によっては半分以下。昨年四十件あった団体予約が今年はゼロ。県内最大規模で国体会場にもなった猪苗代スキー場(猪苗代町)も「例年の八割ほどにとどまっている」と話す。
◆宮城、岩手
一方、宮城や岩手は健闘している。仙台市泉区のスプリングバレー泉高原スキー場は昨年の二割増し。「今年は海水浴など夏のレジャーができなかった。スキーシーズンを待ち焦がれていた人も多いのでは」と分析する。

沿岸部からの来客が多いスキー場は、被災者に配慮したプランを設定している。岩手県奥州市の越路スキー場は、被災地の人向けに二千円以上するスキーのレンタル料金を五百円に値下げ。学校や子どもの行事利用には、リフト代とレンタル料の両方を無料にしている。

ただ、震災が営業に響いているスキー場もある。岩手県北上市の夏油(げとう)高原スキー場は、節電と原油高騰のため今シーズンのナイターを土日祝日だけに。「仕事帰りのスキー客が見込まれる平日ナイターができないのは痛い。これからが心配」と気をもむ。
(東京新聞)