建立された慰霊碑の碑文を見る遺族ら(14日午前、江府町の奥大山スキー場で)江府町の町営「奥大山スキー場」で昨年12月31日、パトロール中に起きた雪崩事故で死亡したスキー場の男性職員ら4人を追悼する慰霊碑が同スキー場内に建立され、14日、除幕式と追悼式が行われた。遺族や竹内敏朗町長、スキー場関係者ら約70人が参列し、冥福を祈った。式典後、竹内町長は「事故は一日も頭から離れることはない。スキー場の安全安心を確保することが4人に報いることだ」と再発防止を誓った。

慰霊碑は高さ約2メートル、幅約1・5メートル、奥行き約0・5メートルの御影石製。4人の名前のほかに「この教訓を後世に伝え、安全対策の推進に努めることを誓う」などと刻まれ、事故現場の女良谷(めらだに)コースを見上げる位置に設けられた。

この日、同スキー場のゲレンデはすっかり雪に覆われ、除幕式には、松江市のスキー場ボランティアスタッフ松本直紀さん(当時39歳)の遺族2人と同町臨時職員の長岡吉之さん(当時56歳)の遺族1人が訪れた。

遺族や竹内町長らで慰霊碑に掛けられた白い布を取り外し、参列者らが黙とうし、白菊を献花した。遺族らは慰霊碑の後ろに回り、刻まれた4人の名前や碑文に見入っていた。

この後、ゲレンデのふもとにあるスキー場の施設「エバーランド奥大山」で追悼式があり、読経が行われた後、遺族や関係者らが次々と焼香。竹内町長は「このような災害はもう起こしてはならない。安全対策に万全を期したい」と強調した。
慰霊碑に刻まれた碑文■防護壁や気象観測装置設置

町は18日のスキー場開きに向けて、雪崩による被害を防ぐために、現場の女良谷に雪崩防護壁を設置。さらにスキー場内に気象観測装置や監視カメラなどを設け、24時間態勢で、職員らが気象や山の様子をチェックできるようにした。職員らの研修も行い、事故防止への意識を高めるように努めているという。

また、町は今年8月、亡くなった4人のうち3人の遺族9人との損害賠償の調停を松江簡裁に申し立てており、松江市の男性被害者の遺族1人とは500万円で和解するという同簡裁の調停案が出ているという。

竹内町長は「遺族には誠実な対応をしたい」と話していた。

<雪崩事故>2010年12月31日午後1時頃、江府町御机の町営「奥大山スキー場」で雪崩が発生。パトロール中だったスキー場の男性職員ら4人が巻き込まれ、病院に搬送されたが、いずれも間もなく死亡が確認された。現場はスキー場の中で最も高い所にある女良谷コース(長さ600メートル)。直前に起きた雪崩の状況を確認しようと4人が現場へ向かったところ、2度目の雪崩が起きたという。当時の大山の積雪は119センチ。同スキー場では1972年のオープン以来、初めての事故だった。
(読売新聞)