来季からの営業が厳しくなった白山瀬女高原スキー場=白山市瀬戸で地元はあきらめや戸惑い

かつては六スキー場が営業し、県内最大のスキー場群だった白山市の白山麓地域。二〇〇五年の市町村合併後、赤字の市営スキー場の再編が進み、これまでに三スキー場が休止や競技専用施設などに転換した。一段落したかに見えたが、赤字第三セクターの整理に伴い、新たに白山瀬女高原スキー場(同市瀬戸)もこの冬で営業を終える見込みに。転機を迎えた地元を訪れると、あきらめや戸惑いの声が聞かれた。

十七日の今季開業に向け、本格的な雪を待つばかりになった白山瀬女高原。施設の運営を委託されているスノーエリアマネジメント(SAM)白山が準備を進める。だがリフトなどの施設を所有している三セク、白山レイクハイランドが七月に会社解散を決議。特別清算中の今季は債権者の同意を得てSAMが営業するが、新たな支援企業が現れない限り来季の営業は難しい。

「赤字が続いていたし、雪が減って営業できる日数が少ない。復活させるのは難しいんじゃないかな。地域の仕事場が減るのは心配だ」。スキー場近くに住む男性に話を聞くと、ゲレンデを見上げてつぶやいた。
白山麓の6スキー場瀬女高原がオープンした一九九一年度は、十二万五千人が来場。しかし、個人消費の低迷やスキー人気の低下により近年は入場者五万〜六万人台の年がほとんどになり、赤字に歯止めがかからなくなった。SAMに運営委託し、スキー場施設の賃貸に専念しても改善には至らず、二〇一〇年度は二億九千万円の赤字を出した。白山市にとって、旧市営スキー場問題とともに、旧市町村の赤字第三セクターは大きな課題。故角光雄前市長が在任中の一〇年三月、瀬女高原の整理を明言し、作野広昭市長に対応が引き継がれたかたちになった。

瀬戸集落の店舗に話を聞くと、意外にも影響を懸念する声は少ない。「スキー客は金沢などから来て、日帰りで何も買わず帰る。集落の商売にあまり影響がなかった」「にぎわうのは県外客が訪れる紅葉シーズン」。そんな声が相次いだ。

スキー場周辺を歩いても、よく見かけるような家族経営のペンションや貸しスキー店はない。八十代男性は「村や三セクが整備計画を進め、集落の人で宿などを開く人はいなかった」と指摘する。


白山麓の6スキー場瀬女高原以外の旧村営五スキー場のうち、一般営業が中止になった白山白峰温泉と鳥越高原大日は、それぞれ地元有志がNPO法人を立ち上げて運営を引き継いだ。瀬女高原近くの尾口地域には一里野温泉の旅館などでつくる観光協会はあるが、瀬女高原周辺はいわば空白地帯だ。

白山麓の活性化に取り組む関係者たちからは「瀬女高原周辺とはほとんど交流がなかった」と戸惑いの声が漏れ、支援を得られそうもない。地元主導の活性化を期待したいが、まだ動きはなさそうだ。


後記
「瀬女のスキー場は、地域の夢が詰まっている」−。白山瀬女高原スキー場が開業したころの関係者の言葉だそうだ。スキーリゾート地として期待されていたが、責任があいまいな第三セクターの負の面が大きく、地域の核になれないまま終わった印象を受けた。

合併した八市町村の中で旧尾口村の人口は最少。ことし十月末は六百五人まで落ち込んだ。地域に二つのスキー場に頼るのは無理だろう。新しい過疎化対策を考えなくては。


<白山レイクハイランド>
1989年、旧尾口村(現白山市)手取湖周辺の本格的スキーリゾート化を目指し、村と県観光余暇資源開発公団、民間11社が出資して設立。91年に白山瀬女高原スキー場をオープンさせた。赤字が続き、2007年度からスノーエリアマネジメント(SAM)白山に運営委託。10年度で13億円の債務超過になり、ことし7月に解散を決め、特別清算に入った。負債は42億7800万円。

(中日新聞)