マイクロ水力発電<マイクロ水力発電>
リフトに照明、降雪機やゲレンデ整備車など、スキーリゾートの運営では大量のエネルギーを消費する。

燃料費が高騰し、気候変動への懸念が高まるなど、ウィンタースポーツを取り巻く環境が厳しさを増す中、各国のスキー場ではエネルギー消費削減や自然エネルギー活用に取り組んでいる。

カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州のスキーリゾート、ウィスラー・ブラッコムは、独創的な環境対策を導入。
現地の天然資源の水を利用して自家発電を行っている。

下を流れるフィッツシモンズ川のパワーを利用しているのは、スキー場の中心部を走るピーク・トゥ・ピーク・ゴンドラ(PEAK 2 PEAK Gondola)。
「フィッツシモンズ・マイクロ水力再生可能エネルギー・プロジェクト」の一環だ。

山から落下する水流でタービンを回し、年間約32ギガワット時の電力を発電している。
ウィスラー・ブラッコムの公称年間エネルギー消費量に等しい。

太陽光リフト<太陽光リフト>
オーストリアに展開するヨーロッパ有数のスキーリゾート「シーヴェルト(SkiWelt)」。

太陽光パネルの電力だけで動く初のロープトウ「太陽光リフト(Sonnenlift)」が設置されている。
年間1万2000キロワット時の電力は、9000キロワット時を設備に供給し、残りは電力網に戻すことができる。

ブリクセン・イム・ターレ村に伸びる200メートル余りのグリーンなリフトは、太陽光エネルギー利用の導火線として注目されている。

南斜面に設置されている113平方メートルの太陽光パネルは、1時間に900人のスキーヤーをゲレンデの上まで運ぶことができる。
曇りの場合は蓄電池で稼働可能だ。

利用するのは広大なシーヴェルトを訪れるごく一部のスキーヤーだが、グリーンエネルギーの可能性を示す興味深い例と言えるだろう。



水力とバイオ燃料<水力とバイオ燃料>
クーシュベル、ベレヴィル、メリベル(写真)の三つの谷に展開する世界最大級のスキーエリア、フランスの「トロワ・バレー」。

2000台のスノーガン(人工降雪機)やリフト200基を動かすために、水力発電の再生可能エネルギーを購入している。

また、全車両にバイオディーゼル燃料を使用。

アメリカと同様、アルプス地方でも、迫り来る気候変動がスキー場オーナーたちをつき動かし、環境対策が進んでいる。



100%風力化<100%風力化>
アメリカ、マサチューセッツ州にある小さな家族経営のスキー場「バークシャーイースト(Berkshire East)」。

2011年1月に風力タービンの設置を完了し、風力で一切の電力を賄う世界初のスキー場となった。このプロジェクトは、州政府や連邦政府の助成金を一部受けており、10年以内の黒字化が求められている。

エネルギー費用の高騰は、小規模なスキー場に深刻なダメージを与えている。バークシャーイーストの経営者は、「風力タービンを導入すれば、高騰する電気料金につき合わずに済む。ローンの支払いは必要だが、燃料費はかからない。操業を続けていく上で欠かせない手段だった」と語る。

(ナショナルジオグラフィック)