日本国内では、1994〜1995年シーズンにスキー場延べ利用者数はピークを迎えて3,450万人を記録し、その後急激に減少。2001〜2002年シーズンにはピーク時の約半数の1,650万人、2010〜2011年シーズンは震災の影響も有り約1,150万人まで利用者数は減少しています。(*1)尚、2008年レジャー白書によれば、1シーズンに3.8回程度スキー場に足を運ぶとのことですので、実際の利用者数(ユニークユーザー)は、この3分の1以下といったところでしょうか。

全国のスキー場では、リフト券の種類を増やしたり、交通機関との連携を深めたり、手ぶらで楽しめるように用具レンタルを強化するなど、様々な取り組みを行っていますが、残念ながら利用者数の減少に歯止めが掛かっていないのが実情です。レジャーとしては、直接的、間接的にも費用が掛かりすぎること(1世帯1回あたりの費用が約2万4,000円。『2008年レジャー白書』より)、その費用に見合った満足度が得られないことがスキー離れの中心的な理由ですが、その他にもスキー場までのアクセスや、周辺施設との連携など様々な課題が指摘されています。

今回は、日本の雪山レジャー産業について紐解くわけではありませんので、日本の現況は上記程度にとどめますが、果たして、日本で衰退傾向にあるこのスキー・スノーボードに未来はあるのかという点を、いつもの通り近隣諸国の状況を踏まえて考えたいと思います。

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中には当然、国内にスキー場が無い国もあるものの、日本人のスキー経験者の割合は、他の調査各国に比べて異常に高いといえるでしょう。野球・サッカー・ゴルフよりも高い数値というのは、北欧、カナダ(これら2か国は今回の調査対象外ですが)以外ではあまり見かけない結果です。一方、下段の表では、今後やってみたいスポーツを聞き出していますが、赤文字が示すように、スキーを選択した割合が他のスポーツよりも高い国が多く、潜在的利用者はかなり多いと目されます。

中国では、すでに国内に200以上のスキー場がオープンしており、スノーボーダーよりもスキーヤーの増加が著しいとのことです。契機は、トリノオリンピックのエアリアル競技で中国人選手がメダルを獲得した2006年からです。

中国国内における2006年以降のスキーブームの結果、日本国内における外国人スキーヤーは、中国人が多くを占め、このまま観光客の拡大とともに日本のゲレンデで中国人のスキーヤーがさらに増えるかと思いきや、2009年からは減少し始めました。この日本国内における中国人スキーヤーの減少は、外交的な摩擦や中国国内のスキー場の整備が進んだことが大きな理由といわれています。

ちなみに、現在の日本のゲレンデでは、オーストラリア人を始めとした白人系スキーヤーが最も多いということですが、それは雪質が格段にいいという理由で来日している方が多いそうです。

韓国に関しては、スキー経験者は多いのですが、1回しか行かない方が多いようです。理由は大きく2つあり、1つは国内にあるスキー場(十数施設)の滑走距離が短いこと、もう1つは費用が高い(経済水準を鑑みた場合実感として日本よりも高い)ため、国内のスキー場を経験して、海外の状況を見るまでも無くもうスキーはしないと結論付けている方が多いようです。

台湾については、中華民国滑雪滑草協会によれば、スキー人口はわずか6,500人。その多くは富裕層で、庶民の憧れのスポーツという位置づけのようです。ですから、スキーを目的とした海外旅行の人気が高い傾向があります。また国内では、気候的な理由で、スキーといえばグラススキーの方がメインのようです。

面白いのは、インド。この国では、スキーといえば軍隊の訓練を指すイメージがあるようです。出自として多くの国内スポーツ連盟は軍隊の管轄にあったようで、そこでの行軍訓練などからスキーが発達していった経緯があるため、インドにおけるスキーとは、基本的にはスポーツという概念で認識されていないようです。

*1出典:全国の主要100スキー場の主催者発表数値を当社にて集計。
*2株式会社エー・アイ・ピー『エー・アイ・ピーの海外市場調査スポーツブランド2010年8月』より抜粋。
インターネットにより、各国を代表させるサンプルに対して自記入式調査票を配信して集計。
各国16歳以上の女性を対象とし、以下の母集団を形成して統計を行いました。日本(n=1,202)、中国(n=1,131)、香港(n=1,106)、韓国(n=1,164)、台湾(n=1,018)、シンガポール(n=1,055)、マレーシア(n=2,129)、インドネシア(n=1,093)、インド(n=1,994)、ベトナム(n=823)、タイ(n=1,726)、アメリカ(n=2,006)

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