東北地方のスキー場が、福島第1原発の事故の影響による風評被害に苦しんでいる。

例年予定されている全国各地からの学校スキー実習のキャンセルが相次いでいる。福島県北塩原村の裏磐梯スキー場の馬場正二郎支配人(50)は「例年に比べ、中高生の団体客は8割減まで落ち込みそうだ」と推測。また、放射線量が低い日本海側の山形県などのスキー場でも団体客の集客減を懸念している。風評被害の問題は東北地方全体で深刻化している。

裏磐梯スキー場は毎年、九州などの学校約30校のスキー実習を受け入れていた。しかし、今年は震災後、全てキャンセル。同スキー場は福島第1原発から約90キロ離れ、放射線量も高くない。

馬場さんは「原発事故の影響で(スキー実習の)辞退の電話が相次ぎました。例年では、中高生が計1万人訪れますが、今年は2000人ほどに落ち込みそう。8割減です」と肩を落とした。

この状況を受け、経費削減の対策として、平日の一部の営業を取りやめるという。同じく、福島県二本松市のあだたら高原スキー場でも、九州や関西などの学校7校が全てキャンセルとなった。同県南会津町の会津高原たかつえスキー場でも、1校100人規模のスキー実習が「8校がキャンセル、8校が保留の状態」だという。

日本海側の樹氷を巡るコースが人気の山形市の蔵王温泉スキー場でも風評被害の問題は深刻だ。蔵王温泉観光協会の黒崎広宣事務局長(51)は「山形県の放射線量は検査で安全が証明されているにもかかわらず、兵庫や大阪など学校10校がキャンセル」と悔しがる。
キャンセルの理由について「大半は、保護者の方が『放射能が危ない』ということです」と説明。「山形=東北地方=放射能汚染、というイメージなんでしょうね。東北から離れて住んでいる人ほど、そういった傾向が見られると思います」。蔵王温泉スキー場は、例年のシーズン中(12〜3月)に50万人以上が訪れる東北屈指の人気を誇るが「今年は全く読めません。厳しいシーズンが始まることは間違いない。例年の半分ぐらいは来ていただきたい」と黒崎さんは言う。

東北地方のスキー実習をキャンセルした大半の学校は、長野や新潟で実習を行うという。長野県山ノ内町の志賀高原観光協会の男性担当者は「九州や関西など今まで来られなかった学校から予約を多数頂いております」とコメントした。
(日刊スポーツ)