阿蘇市黒川の阿蘇山スキー場の撤去工事が11月中にも始まることが20日、分かった。同スキー場は43年前、九州初の人工スキー場として開業し、経営難のため2002年6月から休業中。施設を取り壊した後、跡地は草原に復元される予定だ。

撤去工事は16日に指名競争入札(10社)があり、阿蘇市の建設業者が2260万円(税抜き)で落札。駐車場(120台分)のみを残し、本年度中に朽ち果てたリフトや事務所棟を解体・撤去する。市は本年度一般会計予算に撤去費を計上、3月定例市議会で可決されていた。

同スキー場は、旧阿蘇町営で1968(昭和43)年に開業。総面積約5ヘクタール。広さ2・5ヘクタール、長さ320メートルのゲレンデや450メートルのリフト(87席)が整備された。しかし、慢性的な雪不足に悩まされ、89年に天山(佐賀)、90年に五ケ瀬(宮崎)と隣県にできた人工スキー場の影響もあり、業績が悪化。92年に地元ドライブインの経営者らでつくる民間企業に運営を委託したが、02年に撤退した。

阿蘇市の佐藤義興市長は「阿蘇山上に通じる道路に面し、景観を損ねていたスキー場施設撤去は懸案だった。跡地は各種イベントにも活用できるよう整備。世界文化遺産登録を目指すためにも一帯の野焼きを復活し、元の草原に戻したい」と話している。
(くまにちコム)