12月オープンに向け、スキー場のセンターハウスを補修する作業員(10日午後、栄村で)3月の長野県北部地震で被災した栄村が運営する「さかえ倶楽部スキー場」が12月23日から今季の営業をスタートさせる。利用客が休憩するセンターハウスなどが損壊したが、12月初旬までに修復できる見通し。村は、スキー場営業を復興の旗印にしたい考えだ。

1996年12月にオープン。八つあるコースは最長約1・5キロと小規模だが、豪雪地だけに新雪が多く、軟らかな天然雪を好むファンも通う。長野、新潟両県や関東地方から例年1万5000〜1万7000人が訪れる。年3000万円以上の赤字運営だが、地場産業の少ない村にとっては、村外のスキー客を呼び込む経済効果や、リフト係、ゲレンデ整備員ら20人余りの雇用創出につながっていた。

地震では、コースやリフト3機は無事だったものの、レストランなどを併設するセンターハウスの天井や壁が損傷。村は約6350万円をかけて8月下旬から天井張り替えなどの修復を進めている。スキー場につながる村道では、今も土砂崩れの残土処理が続くが、スキー場開業までには完了するという。

今季の営業は例年通り3月末まで。スノーボード教室は、インストラクターが被災して県外に引っ越したために継続できない見込みだが、スキー教室は例年通りに実施する。地震から1年となる来年3月12日は、レストランやリフトを無料にする案も出ている。

常連だった東京、神奈川の3団体(計約200人)から地震後、「今季は滞在を見送る」との連絡もあり、村商工観光課は「少なくとも2割は客入りが落ちる」と予想する。それでも「地震被害の印象が強い栄村を、スキー場でにぎわうイメージに変えたい。村民にも前向きな気持ちになってもらいたい」としている。

同村横倉地区の仮設住宅に暮らす農業福原幸子さん(54)は「毎年、地元の小中学生がスキー教室などで楽しそうに滑っている。地震の影響を心配したが、今シーズンも通常通り営業できるのは何より」と営業再開を歓迎している。
(読売新聞)