冬のスキーシーズンを控え、福島県内のスキー場が営業規模を縮小せざるを得ない状況に追い込まれている。福島第1原発事故で団体客のキャンセルが相次ぎ、一般客も例年並みの人出が見込めないためだ。リフトを間引き運転したり、営業期間を短縮したりして経費節減し、収入減の窮地をしのぐ。

猪苗代町の猪苗代スキー場は12月下旬に開く予定だ。毎年、約17万人が訪れるが、原発事故後、年間団体客の9割に当たる約230団体約3万人からキャンセルの連絡を受けた。リフト利用料やスキー板のレンタル代、飲食代を含むと、1億円を超す収入減となる。

渡部正人支配人(39)は「団体旅行のうち修学旅行は何年も前から予約を入れるので、今後3年ぐらい、回復は難しいだろう」とため息をつく。

運営会社の社員を4人減らして13人にし、給与もカットして人件費を削った。今季、平日はリフト12本中4本の運転を休止、レストハウスも4軒のうち3軒を休業する。

二本松市のあだたら高原スキー場も約2万人の団体予約が取り消しになった。安斎誠副支配人(46)は「場内の放射線量は毎時0.1マイクロシーベルト台と高くないが、二本松は線量が高いと思われて敬遠されているようだ」とこぼす。
オープンは12月中旬ごろの予定だが、冬休みの始まる同月下旬までは平日の営業を見合わせる。営業期間も通常より2週間短くして、来年4月上旬で打ち切る。

海外客も今季は期待薄だ。近年、日本へのスキーツアーが増えている韓国、中国と福島空港を結ぶ定期便は原発事故後に運休して再開のめどが立たず、両国からの客も減るとみられている。

大手旅行会社「日本旅行」によると、ことし7〜12月催行の福島県内へのツアー申込客数は前年同期比で3割減。「減少傾向は底を打ったが、原発に近い方面への不安感は根強い」(広報室)という。

猪苗代スキー場の渡部さんは「原発のニュースがなくならない限り、人出が元に戻るのは難しい。企業努力で経費を抑えながら地道に安全性をアピールしていくしかない」と話している。
(河北新報)