◇「4年間は何だったのか」
スロバキアで18日に開幕する予定だった聴覚障害者の国際競技大会「第17回冬季デフリンピック」が大会運営資金の不足を理由に中止された。

日本選手団主将や旗手を含む県内在住の4選手は既に現地入りしており、突然の知らせに選手は「ショックと悔しさでいっぱい」と動揺を隠せなかった。日本選手団は15日以降、ウィーン経由で帰国の途につく。

クロスカントリースキーに出場予定で、選手団旗手の喜井寛さん(29)=大田原市=は11日に日本を出発し、スロバキア到着後に大会中止を知った。「今までの4年間の努力は何なのか。気持ちの整理もいまだできない状況です。日本そして栃木の皆さんに申し訳ない気持ちです」と県を通じて心境を明らかにした。

選手の選考や派遣などを行っている財団法人「全日本ろうあ連盟」(東京都新宿区)によると、12日早朝、国際ろう者スポーツ委員会がメディアに大会中止を発表し、さらにスロバキアデフリンピック組織委員会もホームページを通じて中止を宣言したという。
同連盟は日本選手団の派遣を中止し、15日に出発予定だった選手やスタッフには経緯や今後の対応を説明する。

同連盟スポーツ委員会の河原雅浩事務局長は「選手が一生懸命努力してきたことが無駄になり残念。ただ、スロバキア組織委員会に問題があっただけで、デフリンピックの価値が下がったわけではないことを理解してほしい。きちんと原因究明し、二度と同じ事が起きないように要請したい」と述べた。

大会は25の国と地域から707人(選手438人)が参加して開催される予定だった。日本選手団は52人(同21人)。県内からは喜井さんの他、原田上さん(34)=アルペンスノーボード、塩谷町▽大森伸一さん(37)=同、大田原市▽手塚久野さん(33)=同、日光市=の3選手が出場予定だった。
(毎日新聞)