ショーン・ホワイト昨年2月のバンクーバー冬季五輪スノーボード男子ハーフパイプで連覇を飾った米国のショーン・ホワイト(24)。

ジーパン姿で赤毛の長髪をなびかせる容姿は一見、ロックスター。ただ、世間の風潮に逆らう反逆児のイメージとは、ほど遠い。

スノーボード界のカリスマには、その魅力を世界に広める親善大使の自覚がある。

■交流サイト150万人 魅力発信

12歳の初来日から31回目。ラーメンとか、日本はおいしい料理がいっぱい」。

契約するスノーボードメーカー、バートンのイベントで来日したホワイトにインタビューした。大の日本好きだ。

五輪で圧勝して、周囲の注目度はまた上がったのでは?

視線は感じる。多くの仲間は、なんで僕があまりパーティーに繰り出さないか理解していない。僕がお酒を飲んで酔っぱらったりすればメディアは面白く書くだろう。ゴシップが好きだから。友人だけに囲まれている(プライベートな)時と、メディアとか公衆の面前にいるときの振る舞いは違う」。

バンクーバー五輪では銅メダルを獲得したスコット・ラゴ(米)がお祝いパーティーで女性と一緒に写った不適切な写真がインターネットに流出、自主的に選手団を離脱して帰国する騒動があった。

ホワイトはそうした醜聞とは縁がない。記者会見では何百回と聞かれた質問にも誠実に答える。

スノーボードの魅力を知ってもらうチャンスだから」。

インターネット上で利用者同士が交流する「フェイスブック」に約150万人の登録者を誇り、近況を発信している。
スノーボードの自由な気風は大切にしつつ、子どもへの影響を考え、譲れない部分もあるという。

僕は滑るときに安全のためにヘルメットは必ずかぶる。幼いとき、大人は『格好悪いから撮影時は脱ぎなよ。雑誌で載せてくれないよ』なんて言っていたけど。僕が脱いでいたら、ヘルメットは格好悪いと子どもたちが誤解したかもしれない。今、ヘルメットの着用が一般に認知されているのはうれしい

最近、訪問した中国で体験したエピソードも明かした。

テレビ番組でルームサービスのトレーに乗って滑ってくれって頼まれたんだ。断ったよ。スノーボードを冒涜(ぼうとく)する行為だと思ったから

五輪後、ホワイトハウスに招待され、オバマ大統領と一対一で面会するチャンスにも恵まれた。

ビジネススーツじゃないけど、僕らしさという尊厳は守りつつ、こぎれいな格好で行った。大統領はすごく気さくな人だった

近年、五輪の採点競技は、体操が10点、フィギュアスケートは6点といった「満点」の上限を撤廃し、技の難易度ごとに得点を加算する方式が主流。

ただ、スノーボードのハーフパイプは「50点満点」のまま。バンクーバーで48.4点を記録したホワイトは上限に近いが、採点方式に不満はないという。むしろ、現行の方式を歓迎する。

スノーボードはパフォーマンス全体を通して、流麗で完璧かが問われるんだ。(何回転したとか)技の難易度だけじゃなく、個性的なスタイルを審判も求めている

まだ24歳。3年後のソチ五輪でも金メダルを狙う。それまで新しい大技は封印するのか?

まあ、見ててよ。僕は常に競争に貪欲(どんよく)だ。僕の試合を見に来れば、いつも何か新しい発見があるはずだよ



ホワイトは1月30日、若者に人気がある「エクストリーム(過激な)」系スポーツの総合大会「冬季Xゲームズ」に参戦。スノーボード・男子スーパーパイプで大技ダブルマックツイストを成功させ、4連覇の偉業を達成した。




Shaun White 2006年トリノ、10年バンクーバー五輪スノーボード男子ハーフパイプ金メダリスト。6歳でスノーボードを始め、13歳からプロとして賞金大会を中心に活躍。米経済誌フォーブスで「09年にスポンサー契約だけで8億円以上稼いだ」と紹介された。自身がキャラクターのテレビゲームも発売されている。身長175センチ。

(asahi.com)