デフリンピックに向け、「頑張ります」とアピールする原田選手=宇都宮市でスロバキアで来月十八〜二十六日に開かれる聴覚障害者のオリンピック「第十七回冬季デフリンピック」で、アルペンスノーボード競技の原田上(のぼる)選手(34)=塩谷町=が前回大会に続き日本選手団の主将を務めることになった。

自身も三大会連続の金メダルが懸かる原田選手は「選手団一丸となって、たくさんのメダルを持ち帰りたい」と活躍を誓った。

デフリンピックは夏季、冬季とも四年ごとに開催され、今大会は五競技に世界二十五カ国・地域から四百三十八選手が参加。日本からは本県の四人を含む二十一選手が出場する。

生まれつき耳が不自由だった原田選手は、幼少時から兄たちと一緒にスキーに親しんできた。十八歳の時にスノーボードと出合い「スピードを競う面白さに熱中した」という。
デフリンピックでは、初出場だった二〇〇三年のスウェーデン大会でいきなり優勝。冬季大会日本初の金メダルに輝いた。原田選手は「自分でも驚いた。スキーの選手層は厚いが、スノーボードは導入されたばかりで選手が少なかったのが幸いした」と振り返る。

“音のない世界”での苦労は少なくなかった。健常者の大会では、ルール説明やスタートの合図が聞こえずに失敗したこともある。滑降中は無音の恐怖と戦いながら、視力に頼って滑る感覚をつかもうと必死だった。

主将となった〇七年の米国大会は自ら二種目で金メダルをもぎ取るなど、日本選手団で四個のメダルを獲得。今大会は五個以上を目標に「自信を持って頑張ろう」と選手団の仲間を励ます原田選手。「休暇を許してくれた会社の皆さんをはじめ、多くの人に支えられてきた。少しでも恩返しできれば」と熱い思いをのぞかせた。
(東京新聞)