ゲレンデ跡に植樹したクヌギの成長を見守る今森さん(左)と住民たち(昨年12月、高島市マキノ町・マキノスキー場)滋賀県高島市のマキノスキー場で、廃止した一部のゲレンデを雑木林に再生する取り組みが進んでいる。市内で別の雑木林再生に取り組む写真家今森光彦さん(56)も協力し、コナラなど3種類計1千本を植樹した。住民は「多くの人が自然に親しめる場所にしたい」と期待を寄せている。

同スキー場は昭和初期に地元の旅館や地主が出資して開設。

しかし、近年はスキー客が減り、施設も老朽化したため、運営会社のマキノ高原観光が2004年、ゲレンデ4カ所のうち、上中級者向け3カ所を閉鎖、リフトを撤去した。

跡地活用を検討する中で、植林計画が持ち上がった。

出資者の間には、長年整備してきたゲレンデに木を植えることに抵抗感もあったが、同社の青谷章社長(57)は「山を荒廃させず、地域に人を寄せるには四季折々の自然に親しめる魅力も必要」と理解を求めた。
当初は新緑や紅葉が美しいモミジを植える予定だったが、今森さんが「保水力のあるコナラやクヌギ、準絶滅危惧(ぜつめつきぐ)種オオムラサキが好むエノキを植え、雑木林として再生すべき」とアドバイス。

08、09年度に県緑化推進会の助成約440万円を活用し、コナラとクヌギ各4百本とエノキ2百本を約2万2千平方メートルに植樹した。来年はさらに5百本を植える計画だ。

今森さんは「5年で食物連鎖など雑木林の機能が動き始め、獣害防止にもつながる。こうした取り組みは珍しく、植生の変化も記録したい」と期待する。

青谷社長も「価値ある雑木林をつくり、昆虫採集や自然観察など多様な楽しみ方ができる場所になれば」と意欲を示している。
(京都新聞)