「初級者コース」と表示のある林間コースに入る家族連れ。雪崩の危険がある場合、閉鎖される=7日、小谷村の栂池高原スキー場2008年2月、小谷村の栂池高原スキー場で、スキー実習中の愛知大女子学生2人が雪崩に遭って死亡した事件は、非常勤講師として引率していた国立大教授(64)を大町署が業務上過失致死容疑で書類送検する方針となり、3年ぶりに節目を迎える。

スキー場でのルール違反や油断は重大事故につながるだけに、各スキー場は安全管理に神経をとがらせている。

栂池高原スキー場は6日、夜来の大雪で、事故現場となった「林間コース」を今季初めて閉鎖した。

自然発生の雪崩が夜中に数カ所発生した跡が確認できたという。好天に恵まれた7日は雪も落ち着き、林間コースに滑り込む家族連れの姿が見られた。

事故は、雪崩の危険があると判断したパトロール隊員が入り口に張ったロープやネットを、愛知大の学生らが乗り越えて林間コースに入り、雪崩に遭った。

事故後、同スキー場ではコース閉鎖の場合、入り口をふさぐネットを二重にし、場内放送で繰り返して「初心者はゴンドラリフトで下山を」と呼びかけているという。リフト乗降口などに掲示する看板でも呼びかけている。
また、林間コース入り口の近くにパトロール隊員の詰め所があり、入ろうとするスキー客に声をかけるという。

ゴンドラリフトを運行する白馬観光開発栂池営業所の佐藤裕二所長によると、安全管理上、最も気を使うのがコース外滑走だという。最近、特にスノーボーダーが新雪を求めてコース外を滑るケースが増えている。

栂池高原の場合、北側の谷に滑り込んだものの、深雪のため登り返しができず、携帯電話で救助を要請するといった事例が毎年数件あるという。

白馬村観光局と村内のスキー場は、08年から雪崩の危険があるコース外滑走をしないことなど、安全の指標を統一した「白馬ローカルルール」を採用している。

特に近年増えているオーストラリア人など外国人客は新雪滑走を好む人が多いといい、スキー場の悩みの種だ。「白馬ルール」では、滑走禁止エリアに入った場合はリフト券没収のうえ退場、などと定めている。

愛知大のケースは、立ち入り禁止のロープを越えるという判断ミスとルール違反があり、引率者の責任が問われることになった。「ルールはぜひ守ってもらいたい」とスキー場関係者は訴えている。
(asahi.com)