今年、開湯1900年を迎えた山形市の蔵王温泉の観光客数が、前年を下回ることが濃厚になった。市によると1〜9月の登山客、温泉利用客、スキー客の合計は延べ115万3000人で、前年同期より約9%減少し、「10〜12月で前年を超えるのは難しい」(市観光物産課)という。夏季の温泉客の落ち込みなどが響いたほか、「開湯1900年」のアピール不足も一因とみられる。

市観光物産課によると、1〜6月は登山客(6万7200人)が前年より約15%減で、温泉客(15万200人)とスキー客(5月まで、40万7100人)は前年並みで推移した。

7〜9月は、登山客が15万9800人とほぼ前年並みだったが、温泉客は36万8700人と約20%減少した。観光物産課は「7月の天候不順や夏場の猛暑で、客足が伸びなかった」と分析する。

節目の年のPR不足を指摘する声もある。

蔵王温泉観光協会は独自事業として山形市内でのパネル展や、昔の登山道を歩くイベントを開催したが、いずれも小規模。春の酢川温泉神社例大祭や秋の蔵王地蔵尊例大祭はほぼ例年通りで、記念の行事などはなかった。

観光協会の岡崎宏一会長は「従来と同じ年間予算の枠内で、大きな『花火』を打ち上げるのは最初から無理。事業への取り掛かりも遅かった」と説明する。

来年も、新潟県上越市で日本初のスキー指導が行われてから100年という記念の年に当たる。岡崎会長は「今年の反省を生かし、スキー客に振り向いてもらえるような魅力あるスキー場、温泉街にしていきたい」と挽回を期している。
(河北新報)