白銀のゲレンデから田沢湖を望む(写真:産経新聞)本格的なスキーシーズンが到来した。手軽な近場もいいが、広大なゲレンデや上質の雪を味わいたいなら、国内屈指のスキー場がひしめく東北に注目だ。

多彩なコースと「極上の雪」で知られる安比高原スキー場(岩手県八幡平市)、樹氷原で知られる蔵王温泉スキー場(山形市)、美しい湖を望むたざわ湖スキー場(秋田県仙北市)…。

空路なら、大阪からもずいぶん近くなった。

≪安比高原スキー場≫

◆多彩なコースと「アスピリンスノー」

大阪(伊丹)空港から、仙台空港まで75分。直行バスで、3時間半余りで安比(あっぴ)高原の広大なゲレンデが目の前に広がる。

安比高原の魅力は「圧倒的なスケール」と「極上の雪」。国立公園八幡平から連なる前森山と西森山に広がるゲレンデは、総面積282ヘクタール。全21の総コース距離は45・1キロ。初心者でもロングダウンヒルを楽しめる5・5キロの「ヤマバトコース」など、多彩なコースレイアウトは1日や2日では回りきれないほどだ。

最大の自慢は極上の雪質にある。パウダースノーよりさらにサラサラで軽い「アスピリンスノー」と呼ばれる雪を丁寧に圧雪。なめらかな滑走面に整備するため、深夜から早朝にかけ、約10台の圧雪車がコースを走る姿は圧巻だ。

「良い雪の降るロケーション、圧雪の技術、もてなしの心。この三つがそろって初めて最高の状態の雪を提供することができます」と安比高原営業企画部の小林圭ディレクティブマネージャーは話す。

軽やかな雪の感触から「ここで滑るとスキーがうまくなった気がする」という利用者の声も多いという。

オープン30周年を迎えた今年は、記念サービスとしてリフト券(回数券、ナイター券を除く)の有効時間を通常より30分延長するなどサービス面でも充実を図る。設備面の充実も図り、ゴンドラのスキーラックをカービングスキー対応幅にするなど、「より快適に楽しんでもらえるよう細かな点にも気を配った」(小林ディレクティブマネージャー)という。

存分に滑った後は、充実したゲレンデレストランが待っている。こだわりラーメン店からイタリアンまで並ぶフードコートは約900席。スキー場併設の牧場の牛乳を使ったご当地アイスクリームをトッピングしたクレープは行列ができるほどの人気という。ホテルレストランでも地元の食材を使ったイタリアンバイキングのランチが楽しめる。

早朝に大阪を出発すれば、午後からナイターが楽しめるうえ、出発日早朝には圧雪したばかりの真新しい雪上の滑りを楽しむこともできる。東北の近さが実感できるはずだ。


≪蔵王温泉スキー場≫

◆開湯1900年温泉も楽しめる

水滴が雪をとりこみながら樹木の枝や葉に着氷してできる樹氷は、自然が生んだ氷の芸術と呼ばれる。その樹氷原をスキーで駆け抜けることができるのが蔵王温泉スキー場だ。

仙台空港から直行バスで1時間40分。蔵王連峰の西麓に広がるスキー場の総面積は305ヘクタール。単独のスキー場としては日本有数のゲレンデの広さを誇る。その「看板コース」ともいえるのが、樹氷原コースだ。

約10キロのロングダウンヒルコースは、まるでファンタジー映画の雪の王国のよう。「最初にやや厳しいところがありますが、初心者でも十分楽しめます」(蔵王温泉観光協会)。

樹氷原を楽しむにはロープウエーを利用する方法もある。ゴンドラから、パノラミックな樹氷原をじっくりと眼下に楽しむことができる。夜の「樹氷ライトアップ」(12月29日から)は必見だ。

今年は蔵王温泉開湯1900年。来年は、日本スキー発祥100周年。これを記念してゲレンデ内の雪見大露天風呂や「美味(おい)しいものまつり」(3月15日から18日)など盛りだくさんのイベントが行われる。恒例の「蔵王樹氷まつり」の雪上花火(2月5日)も見逃せない。アフタースキーも存分に楽しめるシーズンになりそうだ。


≪たざわ湖スキー場≫

◆豪快なダウンヒルが連続

青い湖水をたたえる田沢湖。その神秘的な湖を一望できるのがたざわ湖スキー場だ。

伊丹空港から秋田空港まで直行便で1時間20分。そこから乗り合いのジャンボタクシーで2時間弱。秋田駒ケ岳の中腹に広がるゲレンデは、標高差608メートル。その地形を生かした豪快なダウンヒルの連続が特徴だ。総面積100ヘクタールのゲレンデには13のコースがあり、初心者から上級者まで多彩なコースを楽しめる。

「白銀のゲレンデと青い湖面を一緒に満喫できるロケーションはここにしかない魅力」(同スキー場)

最長滑走距離は3キロで、腕に自信のある人なら、駒ケ岳八合目の1200メートルから標高700メートルを滑る国体コース(中級)にぜひチャレンジを。

周辺には、ホテル、旅館が並ぶ田沢湖高原温泉郷や、水沢温泉郷などもあり、スキーの後もゆったりと過ごすことができる。

【問い合わせ】
▽安比高原スキー場(電)0195・73・5111
▽蔵王温泉観光協会案内所(電)023・694・9328
▽たざわ湖スキー場(電)0187・46・2011

(産経新聞)