6人が巻き込まれた雪崩現場。写真上部の尾根に破断面が見える(11月30日、本社機から) 立山町の室堂平周辺で先月30日、6人が雪崩に巻き込まれて5人が死傷した事故で、28、29両日の降雪と風により現場近くの尾根づたいにできた大きな吹きだまりに気づかず、6人がその下の斜面に踏み込んだことが雪崩を誘発した可能性があることが、県警への取材でわかった。

雪崩が発生したとみられる尾根の下側はくぼんでおり、雪がたまっていても遠くからは見えにくかったことから、県警は6人が危険性を認識することができなかったとみている。

県警によると、国見岳の尾根の下に積雪の層を切り取ったように見える破断面があり、雪崩の発生源とみられる。

現場周辺で高原バスを運行する立山黒部貫光によると、現場周辺の28、29両日の天候は雪で、風向きはそれぞれ北向き、西向きだった。尾根の下側はくぼんだ地形になっており、2日間の降雪と風により、尾根づたいに雪がたまったとみられる。
吹きだまり下進入誘発か 警備隊「危険性判断難しい」現場周辺は、新雪がたまりやすいくぼんだ地形で、スキーヤーに人気がある一方、崩落の恐れがあるような大きな吹きだまりがあっても下からは気づきにくい。

さらに、古い雪の上に新しい雪が積もり、尾根から100メートル以上にわたって滑り落ちる「表層雪崩」が起きやすい状態になっていたとみられる。

雪崩に巻き込まれた6人は当時、縦列に並んで急な斜面をジグザグに登っている最中で、うち5人は横浜市に本社があるアウトドア用品販売会社の同僚だった。

スキーやスノーボードに熟練し、冬山にも精通していたが、唯一、無事だった神奈川県逗子市の男性(38)は、「突然、雪崩が来て、全員がのみ込まれた」と説明。県警山岳警備隊は「経験があっても、下から危険性を判断するのは難しい」と話している。

また、事故当日の30日は、前日までの吹雪とは一転して快晴に恵まれ、午前7時は気温が氷点下12・1度だったが、事故発生直後の午前9時には同8・5度にまで上昇。

それまでの2日間とは異なり、急激に天候回復したことも雪崩に影響した可能性があるという。
(読売新聞)