立山町の立山黒部アルペンルート・大谷付近で起きた雪崩は、巻き込まれた6人のうち5人が死傷する大事故となった。古い雪の上に積もった新雪が崩れる「表層雪崩」が起きたとみられ、県警山岳警備隊の横山隆・小隊長は「雪が積もっていれば、どこでも雪崩が起きるリスクはある」と注意を促している。

上市署によると、6人は友人同士で、5人は会社の同僚。スキーとスノーボードを楽しむため室堂ターミナルの南西約500メートルの斜面を登る途中、雪崩に遭った。携帯電話で119番したのは川崎市の会社員、江草朋樹さん(31)。他に神奈川県逗子市の男性会社員(38)と横浜市の同、田中嵐洋さん(28)が雪からはい出てきた。

同署によると、けがのなかった男性会社員は「上が明るかったので自力ではい出た」と話し、その後、雪から体が半分出ていた田中さんを助け出したという。だが、通報時にはまだ3人が雪に埋もれていた。
いち早く救助に駆けつけたのが、ターミナルで雪崩を目撃した立山黒部貫光の職員らだった。協力して3人のうち2人を救出。午前9時50分に県警山岳警備隊が到着した時、既に約15人が現場にいたという。県警も「適切な対応をしてもらった。ありがたい」と感謝する。

6人は全員、体に巻き付けて使う「雪崩ビーコン」を持参していた。安価なものでも1台2万〜3万円するが、遭難現場では雪中から発信される周波数を他のビーコンで検知し、捜索する。亡くなった武田悠さん(32)=東京都世田谷区=も山岳警備隊がビーコンで居場所を特定し、救出した。

現場の雪の状態について横山小隊長は「新雪が降り積もってすぐの晴れ間だったため、雪面は不安定で危険な日だった。滑るのには気持ちがいいが、注意が必要だ」と話す。
(毎日新聞)