スキーの本格シーズンが近づいてきた。道内の各スキー場はコースの新設や初心者向け用具レンタルなど、サービス強化に取り組んでいる。ただ足元は雪不足で出はなをくじかれ、開業を延期する施設も多い。

趣味の多様化や景気低迷で来場客が減少するなか、リピーターをいかに育成するかが課題だ。

日本スキー発祥100周年となる今シーズン。グラン・ヒラフ(倶知安町)やルスツリゾート(留寿都村)など、20日開業予定だったスキー場は積雪が足りず、開業日の延期を決めた。

このなか予定通り20日に開くのが札幌国際スキー場(札幌市)。山頂付近の2コースに限って滑走可能とする予定だ。コースが限られるため大人用の1日リフト券は通常より安い2800円で販売。主に道内の家族客の利用を見込む。

開業に向けて降雪待ちの施設も、集客力向上策に余念がない。「新雪を堪能してほしい」というのは加森観光(札幌市)の安藤茂常務。

同社が運営するルスツリゾートは、スノーボードの上級者向けコース「ネイチャーゾーン」を設ける。昨年まで立ち入り禁止だった地区を開放、林の中を通る約600 メートルの新雪コースを体験できるようにする。
スキー客には圧雪後、誰も滑っていないゲレンデを滑走できる有料サービス「ファーストトラック」も始める。通常は午前9時からの営業だが、前日に申し込めば午前8時から滑走可能とする。

原則日曜日に実施し定員は50人程度。1000円の追加料金が必要。安藤常務は「早朝サービスで宿泊客を取り込みたい」と説明する。

ルスツリゾートは昨シーズンの来場客数が70万人とピーク時より10万人減った。外国人客の来場に期待がかかるが、アジアから来る人たちの多くは雪遊びをする程度で、リフト券などの売り上げにつながるのはこれからだ。

豪州人に人気が高いニセコ地域でも、外国人比率は3割強。道内客のリピーター育成がカギとみる施設が多いようだ。

やはり降雪待ちのニセコ地域のグラン・ヒラフ。雪の中を歩くためのスキー「スノーランブラー」のレンタルを用意する。滑走面に凹凸があるため、滑る時はスピードが出にくく、上りは歩きやすい。

林の中で動物の足跡を探すといった遊びも楽しめる。グラン・ヒラフを運営する東急リゾートサービス(東京・渋谷)の久野賢策執行役員は「ニセコは中上級者向けのイメージが強い。未経験者でも家族で気軽に楽しんでもらいたい」と意気込む。

アフタースキーを充実させるのがプリンスグランドリゾート富良野(富良野市)。ゴルフ場の跡地に「ふらの歓寒村(かんかんむら)」を12月に開業する予定だ。

2万平方メートルのスペースに、雪像や大型滑り台、アイスバーなど、子どもから大人まで利用できる施設を設置。開村後は午後5時から営業する計画だ。

スキー場間で連携して顧客を囲い込む動きも広がっている。「北海道スキーシーズンネット」にはアルファリゾート・トマム(占冠村)など5施設が新たに加盟、15施設に拡大した。加盟施設のシーズン券を購入すると、他のスキー場のリフト券が安くなる仕組みで、道内で繰り返しスキーを楽しむ人たちを増やす戦略だ。
(日本経済新聞)