大鰐温泉スキー場大鰐町の大鰐温泉スキー場の運営をめぐり、同町議会は8日、臨時議会を開き、今季、営業エリアを国際エリアだけとし、町営で営業するための予算案と条例案を賛成6、反対5で可決した。

リゾート開発の失敗で悪化した財政の健全化を目指すもので、1989年に開業したあじゃら高原エリアは休止する。町は12月 25日のオープンを目指し、9日から草刈りなどの準備作業に入る。

町は町営化に向け、スキー場事業特別会計を設置。同特別会計の総額4310万5千円で運営する。
歳入は、3月議会で可決されていた第三者団体への運営委託費2千万円を一般会計から繰り入れるほか、今季利用者数を1万5千人と見込み、リフト使用料1422万2千円、料飲・物販の売り上げなど833万2千円を営業収入とした。

歳出は臨時職員5人とパート従業員35人の賃金1911万9千円や施設修繕費654万円などを計上。人工降雪機は使わない方針だ。

山田年伸町長は、第三セクターの債務に関する5者協定を結んでいる金融機関の理解について「金融機関とは協議中。規模縮小について理解を得られるよう説明してきた。5者協定に違反すると言われたが、全エリアを営業するには町から多額の持ち出しが必要となる」と答弁。

さらに「ずっと町営でやるわけでない。金額が大きい赤字が出た場合は閉鎖も考えていかなければならない」などとした。

議会はこのほか、3月まで同スキー場を運営していた大鰐地域総合開発(OSK)の町や業者に対する未払い金を支払うための補助金1400万円を盛り込んだ2010年度一般会計補正予算案を可決、閉会した。

同スキー場管理事務所によると、シーズン券販売やリフトの取り付けは12月中旬を予定している。


<解説>不安要素抱えたまま(平川通信部・兼平昌寛)

大鰐温泉スキー場の町営化と国際エリアへの規模縮小に向けた条例案と関連予算案の議決で、町はようやく今季開業へ一歩を踏み出した。ただ、町の第三セクターの債務などに関し金融機関と結ぶ5者協定に違反していることや、今季の収支見通しがどうなるのか−など、不安要素が一掃されたわけではない。

5者協定では、大鰐地域総合開発(OSK)が全エリアあるいは高原エリアを営業することを規定している。町は財政支出を極力抑えるため、協定違反を認識しつつ規模縮小を選んだ。現在協議中という金融機関との交渉が決裂すると、債務の一括請求を受ける可能性がある。

また、町は今季の利用客を、昨季の国際エリア利用客の倍以上の1万5千人と見込むが、根拠は乏しい。積雪状況にも左右される。目標の歳入に届くのか、雇用や物販など地元経済に与える影響も懸念される。

山田年伸町長は今季の収支次第では来季以降の閉鎖の可能性をも言及している。町財政の身の丈に合わせた苦肉の策が吉と出るか凶と出るか、先行きは不透明だ。
(東奥日報)