今年、日本で一番早くオープンした「スノータウンYeti」。スキーヤーらが初滑りを楽しんだ=10月15日、静岡県裾野市■ゲレンデで生まれた大衆文化

今年もスキーの季節がやってきた。富士山麓(さんろく)のスキー場「スノータウンYeti」(静岡県裾野市)が10月15日に今シーズンの営業を開始したのを皮切りに、各地でスキー場が続々とオープンし始めている。来年春ごろまで、雪山に無数のシュプールが描かれる。

誰もが楽しめるウインタースポーツの代表選手といえるスキー。しかし日本は欧米に比べて一般に普及し、スキー人口の多い「スキー天国」であることはあまり知られていない。

スキーは一般的に金がかかるとされ、欧米では富裕層が楽しむ“あこがれの”スポーツ。これに対し、日本では比較的リーズナブルに楽しめ、一般大衆に根ざしたスポーツとして定着している。

日本は急峻な地形に加え、冬季には国土の約6割に当たる約23万平方キロが雪に覆われ、スキー場に適した場所が数多く存在する。また交通網が整備されて、都市部からスキー場へのアクセスが容易になったこともあり、スキーの大衆化が進んだ。
経済発展でレジャーに対する関心が高まったことも大きかった。特にバブル景気に沸いた1980年代の後半から90年代の前半にかけては、スキーは最先端のトレンドとして広く人気を集め、ピーク時には1800万人超が雪山に押し寄せたほどだ。

昭和30年代の「草津国際スキー場」の風景。ウェアに時代を感じる(草津国際スキー場提供)日本のスキー場には海外のスキーヤーも関心を寄せている。長野県白馬村では昨年、オーストラリア人が1万7163人も訪れ、「増加傾向にある」という。オーストラリアの人々にとっては自国のオフシーズンに楽しめるほか、日本の雪質の良さなども魅力の一つとなっている。

また、北海道留寿都村のルスツリゾートスキー場を運営する加森観光(札幌市)は10月、中国の万龍スキー場(河北省張家口市)との業務提携を発表。加森観光はこれまでにも韓国やフランスのスキー場とも提携しており、海外のスキーヤーの取り込みを進めている。国内ではスキー人気の低迷も叫ばれているが、スキー場の質の高さは外国人の折り紙付きで、その魅力はむしろ増しているといっていい。

日本にスキーが“伝来”して来年1月で100年を迎える。日本スキー界の100年の歩みを振り返る。
(MSN産経ニュース)