クロホオヒゲコウモリ環境省のレッドデータリストで「絶滅危惧(きぐ)種1B」(近い将来、絶滅の危険性が高い種)に分類されるクロホオヒゲコウモリが8月28日、鶴岡市の湯殿山スキー場で見つかった。同市で開かれた「庄内あさひコウモリフェスティバル」の実行委が設置したトラップにかかったもので、実行委は近く「コウモリの保護を考える会」(事務局・盛岡市)が発行する紀要「東北のコウモリ」に報告する。

体長約4センチ。県内での捕獲は長井市域に続いて2例目。トラップにはこのほかカグヤコウモリとコテングコウモリの2種もかかったという。

実行委の事務局を務める鶴岡市のあさひむら観光協会の上山剛司さん(28)によると、県内で確認されているコウモリは13種で、同市ではこれで10種が確認されたことになる。

野生生物の実情を把握するため、県は03年にレッドデータブック「動物編」を発刊した。この中でコウモリ類は3種を掲載しているが、研究者の不足や資料、情報の少なさから「情報不足」の扱い。生息分布や数はほとんど把握されておらず県内はコウモリ研究の「空白域」で、調査が進めば県内の種数は増える可能性がある。

コウモリは一晩で害虫など500匹を補食する。また樹洞をねぐらにする種は「森の健全度」の指標動物でもある。

実行委は「研究論文集に報告することで県内のコウモリ研究とコウモリ層の解明に弾みをつけたい」としたうえで「県内の生息分布や生態解明を進め、豊かな山形の自然保護に一役買いたい」と話している。
(毎日新聞)