東京・渋谷にあるWeSCの直営店「WeSC TOKYO」。洋服とともに、ヘッドホンも普通に壁に掛けられている。大きな鏡で、服と合わせながら選べる外で音楽を聴くときのヘッドホンは、耳に差し込む「インナーイヤー型」が主流。小さなボディの中でいかに高音質を実現するか、という方向で進化してきた。特にここ数年は、3〜5万円するような高級イヤホンも人気。だが、そんな流れとは対極にある、大きなボディで耳を覆う「オーバーヘッド」型が、一部のユーザーの間で盛り上がっている。

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特徴は、派手なデザインやカラーリング。その流れを作ったメーカーの1つが、米国の「Skullcandy(スカルキャンディ)」だ。「スケートボードやスノーボードなどの“横ノリ”スポーツを楽しむ層がファッションの一部として買っている」(輸入元であるフュージョンの谷口 徹氏)という。ニットキャップやゴーグルのような身に付けるアクセサリーの1つとして、カラーバリエーションが豊富なヘッドホンが求められたわけだ。

“Life after Skate”を標榜するアパレルブランド「WeSC」(ウィーエスシー)は、「せっかくiPodで音楽を聴くのに、自分達が身につけたくなるようなファッション性の高いヘッドホンがない」と、2007年に参入。プロスケーターやDJなどとのコラボモデルを次々と発表するなど、ストリートカルチャーに密着したヘッドホンを発表している。

さらに、時計やTシャツ、バッグパックなどをアクションスポーツ好きに向けて展開しているNIXON(ニクソン)も、「自分たちで欲しいヘッドホンを作ってしまおう」という発想で、デザインに凝ったヘッドホンをリリースしている。
これら“ストリート系ヘッドホン“は、Skullcandyを全米トップ3に入るメーカーに押し上げるなど、世界的に大きな流行となっている。米国の空港ではSkullcandyのヘッドホンが自販機で売られていると聞くし、日本でも“見せるためのヘッドホン”は音楽を外で聴くことが当たり前になった今、登場するべくして現れたアイテムといえる。

音質にはこだわりがない!? “わかりやすい”低音強調タイプが主流

ストリート系ヘッドホンの最大の特徴は、音質よりもデザインが重視されていること。実際、東京・渋谷にあるWeSCの直営店では、まるで服を選ぶように、鏡を見ながらいくつものヘッドホンを掛け替え、時間をかけて選ぶ女性客を見た。それに対して店員も「顔が映える色ですよね」といった感じで応対。ヘッドホンには音楽プレイヤーがつながっているわけではなく、純粋にファッションアイテムとして選んでいるのだ。ストリートヘッドホン売り場を設けているヨドバシカメラ マルチメディアAkiba店でも、各アイテムの横に鏡が用意されているなど、その流れは量販店にまで広がっている。

また、上記のメーカーは口を揃えて、「音質にはそれほどこだわりがない」という。音を聞いてみると、もともとドライブが大きく、低音が出やすいオーバーヘッド型だけに、同価格帯の国内メーカーのインナーイヤー型と比べても、それほど劣るものではない。ただ音質にこだわったヘッドホンのように、「原音を忠実に再生する」ことを目指しているものではない。DJがビートをつかみやすいように、低音を強調したタイプが主流のようだ(NIXONだけは素直な音作りだったが)。簡単にいえば、「低音強調タイプのオーバーヘッド型」「イヤーパッドやケーブルまで、カラーバリエーション豊富」「派手なデザイン」というのが、ストリート系ヘッドホンの特色といえる。

価格は1万円以下がメインファッション感覚で身に付ける

各メーカーともに、よく売れる価格帯は4000円〜8000円だという。外で使うことが前提なので、もともとそう高価なモデルは少ない。どのメーカーも、製品ラインアップは1万円以下が主流だ。

とはいえ、ファッションアイテムとして、細部までデザインや素材には気を使って作られているから、あえてチープなデザインにしてあっても、安っぽい感じではない。質感にもこだわった作りで、従来のヘッドホンとは方向性が違うものの、モノとしての魅力は十分。

外装へのこだわりはかなりのもの。例えば、WeSCに見られる、ドライブ部分とヘッドバンド部分を2本のスチールパイプでつないだクラシカルな無線機のようなデザインや、大きなイヤーパッドなど、服や帽子と同様、外で身に付けていて目立つデザインが施されている。「気に入っているから」と、壊れてしまったヘッドホンを、ファッションとして首に掛けて街を歩くユーザーもいるほど。

その盛り上がりを裏付けるように、ソニーも「PIIQ(ピーク)」というブランドで参入。オーディオテクニカも、従来のカラーバリエーションだけでない、本格的なストリート系ヘッドホンを投入した。国内の大手メーカーも無視できないトレンドになっているのだ。

ストリート系ヘッドホンの先駆者「Skullcandy」

Skullcandyは、このストリート系ヘッドホンというカテゴリーを作ったブランド。そのデザインやカラーリングがボーダー向けのエッジの効いたアイテムが多く、ボーダー系ショップ向けと家電量販店で販売するアイテムを変えているという。日本では量販店での販売が始まったばかりで、知名度アップはこれから。ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba店では「海外の方が買って行くことが多い」という話だった。

プラグは金メッキを施し、ドライブなども自社生産し、世界的なマーケットでの商品展開を行っている。また、スノーボーダーばかりでなく、メタリカのようなプロミュージシャンとのコラボモデルも製作、国内では木村カエラモデルを販売した実績もある。

Skullcandyのラインアップのなかでも最も売れているシリーズが「LOWRIDER」(6930円)。40mmの大型スピーカーを搭載しながら、折り畳み式でコンパクトに持ち歩けるのが特徴。ツートンカラーを主調にした、華やかなデザインと大きなイヤーパッドは、確実に目立つ仕様だ。

大きすぎず、小さすぎないサイズ感の良さと、折り畳むとかなり小さくなるスマートさは、モノとしての魅力が十分。スピーカー部分の布にも柄がプリントされているなど、細部までファッションアイテムとしての気配りがなされている。編み上げの布でコーティングされたケーブルは絡まりにくく、見た目もキレイだ。

LOWRIDERと人気を二分する売れ筋モデルが「ICON」シリーズ。小型・軽量(60g)で装着感が軽く、夏でも涼しく使えるタイプ。軽いため、アクションスポーツ界からの支持が強い。iPhone、BlackBerry対応のマイクが付属しているモデルもある。

また、イヤーキャップ(イヤーパッドの外側部分)が交換可能。交換用パーツが1組付いているので、左右を違うイヤーキャップにして個性を出すと同時に、左右を間違えないようにカスタマイズするといったこともできる。量販店向きには、マイクが付かない「ICON」(4410円)もある。

【Skullcandy】「ヘッドホンが振動」「栓抜き内蔵」モデルも!

30mmのバイブレーション用サブウーハーを搭載し、低音に反応して振動する個性的なモデル「SKULLCRUSHERS」。バイブレーションレベルはヘッドホン側でコントロールが可能。サウンドを身体で感じる、ストリート系らしい製品だ。

聴いてみると、低音の振動がダイレクトに頭蓋骨に伝わる。低音部分はサブウーハーが担当しているので、バイブレーションレベルを下げると、低音も聞こえなくなる。低音をより迫力あるサウンドとして体感したいユーザー向きだろう。ただし、バイブレーションを効率的に伝えるためか、装着感がとても良く、この価格帯としては密閉感も高い。低音の強調レベルをコントロールできるので、クラブイベントなどでDJ用として使うと、ビートが取りやすく便利かもしれない。

ミリタリーテイストを盛り込んだ、ややゴツめのデザインが特徴の「G.I.」。ヘッドアーム部に栓抜きが内蔵されているのも、ミリタリーを意識した遊び心といえるだろう。また、イヤーパッドが交換でき、色違いのスペアのイヤーパッドも一組付属。ボリュームもヘッドホン側で操作できるなど、多機能でガジェット感が強いモデルでもある。サテン地のトラベルバッグも付属する。

40mmのスピーカーは安定感のある音で、イヤーパッドが大きいせいか、装着感が良く聴きやすい。DJスタイルのヘッドホンで、SKULL CANDYのストリート系ヘッドホンというジャンルを確立させたモデルもある。大型なのでイヤーパッドを変えるとガラリとムードが変わるのも面白い。

50mmの大型スピーカーを搭載した「HESH」シリーズは、大型のイヤーカップを搭載したDJスタイルのモデル。装着感も本格的だし、低音の伸びやかさは、インナーイヤー型では味わえない。音とファッションの双方にこだわるユーザーに向けた製品といえる。

アパレルブランド「PAUL FRANK」とのコラボモデルである「HESH JULIUS」は、コラボモデルならではの大胆なデザインで、DJスタイルというより、冬場のイヤーウォーマーに近い。この振れ幅の大きさも、SKULLCANDYらしいと言うべきだろう。

クールなデザイン、セレクトショップでも展開「NIXON」

NIXONは、アクションスポーツ的感覚を取り入れた時計やバッグパック、パーカーやTシャツといったアイテムを総合的に扱うメーカーだ。もともと、自分たちが身に付けたいものがないから作ろう、といった感じで始まったらしく、ヘッドホンに関しても「ファッション要素に欠けている」と感じてここ数年で始めたのだという。そのため歴史は浅いが、4カ月に1度という頻繁な新作発表で、着実にアピールしている。

ストリート系ヘッドホンの中ではクールなデザインで、AppleStoreで好評だというのもうなづける。ビームスやバーニーズ・ニューヨークといったセレクトショップでの展開が中心なので、大人でも買いやすい。イヤーパッド部分が全てスポンジのモデルや、イヤーカップの金具がボリュームつまみになっているものなど、ほかのメーカーでは見られないギミックやデザインも多い。キャップ、時計、ベルトなどとデザインを合わせられるのも強みだ。

そのNIXONで最も売れているモデルの1つが「WHIP」(4410円)。このあたりの価格帯のものは、雑貨店などでTシャツのついでといった感覚で気軽に買ってもらうことを想定したモデルだ。豊富なカラーバリエーションが特徴で、新作発表のたびに新色が登場する。ビビッドな色も多いが、細身のヘッドアームに小振りのスピーカーなので、ファッションとしてはアクセント的な使い方ができる。購入者の年齢層も幅広い。

イヤーパッド全体がシリコン素材になっていて、耳にふにゃりと当たる感触が新鮮。柔らかいがホールド感があって、歩きながらの利用に向いている。56gと軽量で、カバンに入れても邪魔にならないコンパクトさ。価格も手ごろだし、季節に合わせて色を変えるといった使い方もできる。スマートなデザインなので、室内でモニターヘッドホンとして使うのもよさそうだ。

手ごろな価格帯でWHIPと並ぶ人気モデルの「TROOPER」。イヤーカップとヘッドアームの取り付け方が特徴的で、パイプをY字に配したスタイルは、耳に装着した時にしっかりと安定する。また、イヤーカップ部分がボリュームつまみになっていて、インラインでの音量操作が可能。イヤーパッドの内側はシリコン素材になっていて、耳への当たりが柔らかく、長時間装着できる。

プラスチックを多用したアーム部分が存在感を主張するのでやや大きく見えるが、実際は意外にコンパクト。折り畳んで収納するための専用ケースも付属する。ケーブルが着脱式になっているので、本体とケーブルを別々にカバンなどに収納できるのは便利。また、引っ張れば抜けるので断線対策にもなるし、安全性も高い。もし断線してもケーブルだけ交換できるのは心強い。ケーブルを外して、純粋にファッションアイテムとして使うこともできるわけだ。

【NIXON】イヤーパッドだけの珍しいデザインも

この「NOMADIC」はイヤーパッドはあるが、その周囲を覆うイヤーカップがない珍しいデザイン。まるでイヤーウォーマーのような形だ。密閉しないため、音の広がりがあるが、そのぶん、音が周囲に漏れるので、外で使う場合には注意が必要。ここまで思い切ったデザインは、音響メーカーではできない、NIXONならではの製品といえるだろう。

この機種も外周がボリュームつまみになっていたり、ケーブルが着脱可能と、NIXONオリジナルの機能を継承。イヤーパッドは形状を記憶する素材なので、耳にフィットして心地よい。ヘッドアームにクッション入りの大きなレザーバンドが使われているのも、デザイン状の特徴になっている。スピーカーが大きいため、ボリュームつまみの外周も大きく、細かいボリュームコントロールが可能。

NIXONのハイエンド機「MASTER BLASTER」。本革を使ったヘッドアーム部のクッションや、大きく密閉度の高いイヤーカップなど、ヘッドホンとして本格的な仕様。大きなイヤーパッドは、密閉性、装着感ともに良好。アーム部とスピーカー部を1点で支えるボールアンドソケット機構で、スピーカー部の動きに自由度が高く、耳に最適の角度で装着できる。着脱自由なケーブルも採用されている。

スピーカーユニットは50mmの大型を用い、高域から低域まで安定して鳴るバランスの良いヘッドホン。もともと、NIXONのヘッドホンは、ほかのストリート系ヘッドフォンに比べて、低域強調型ではなくノーマルな音。それだけに、この「MASTER BLASTER」もとても聴きやすいヘッドホンに仕上がっている。

「APOLLO」のコンパクトさとラグジュアリー感を両立させたデザインは、金属パーツを多用しているせいか、実際に装着するとかなり目立つ。ヘッドアームも細いが金属製で光沢があるため存在感がある。スピーカーは30mmなので、NIXONでは「WHIP」と同じサイズだが、オープンエアーイヤホン的なWHIPに比べ、イヤーパッドがしっかりしているせいで、重厚な音がする。

ファッション性とコラボモデルが魅力「WeSC」(ウィーエスシー)

“Life After Skate”をコンセプトに、スケートボード・カルチャーをベースにしながら、そのスタイルを生活に取り入れた、スウェーデン発のアパレルメーカーとして世界的に展開するWeSC(ウィーエスシー)。ヘッドホンは2007年から手がけている。デザインがかわいいというだけでなく、さまざまなコラボモデルが人気を博している。米国やフランスでの販売が中心だが、日本でも渋谷に直営店を出し、タワーレコード、伊勢丹新宿店などでも販売するなど、販路も従来のヘッドフォンとは大きく異なっている。

H&Mやディオール出身のデザイナーを擁し、カラーバリエーションも、単なる色の組み合わせではなく、同じ色でもマットや光沢、クリアと、素材感でも変化を出している。それゆえ、ファッションに合うかどうかで決めるユーザーが多いという。複数持っていて、服に合わせて換えるユーザーもいるそうだ。

40mmのスピーカーを、大きく四角いイヤーカップに収めたデザインが特徴の「ALP HORN」。数あるストリート系ヘッドホンのなかでも抜群に目立つ。さらにケーブルは延長コードが付属し、プラグは金メッキと本格的なDJ仕様。ヘッドアームの長さを調整する部分に目盛りが付いていて、自分の頭のサイズに合わせやすい機能はほかでは見られない独自のもの。

マットな色を広く塗ったボディは、写真以上にインパクトがあり、幅広のヘッドアームもあって、装着するとかなり大きく見える。ヘッドホンを付けて小顔に見せようという女の子に向いたデザインといえるかもしれない。イヤーパッドも四角いが装着感は良好。音は、やや低音を強調してあるが、比較的クセはなく、密閉性もあるので、室内でのモニターヘッドホンとしての利用も可能。

「PICK-UP」は、最初の1台として買って行くユーザーが多いWeSCのベストセラー。自転車を思わせるようなデザインは、金属パーツとプラスチックパーツをうまく組み合わせたもの。イヤーキャップ部分とイヤーパッド部分が分離していて、耳への当たり方がデリケートに調整できる。コンパクトで軽量(90g)だがスピーカーは40mmとミドルレンジのものを使用。見た目のかわいさに似合わぬ、迫力のサウンドが楽しめる。

素材やイヤーパッド部分、イヤーキャップ部分それぞれ色を変えられるので、カラーバリエーションが本当に豊富。年に4回の新作投入時期にも新しいカラーが増える。最小限のデザインで、カジュアルさとシャープさを両立させたセンスは見事だ。

【WeSC】クラシカルと現代風が同居

メタルのヘッドアームに革のクッション、スチールパイプを使ったジョイント部に円形のイヤーカップという「BONGO」のスタイルは、WeSCの基本デザインの1つ。イヤーカップが大きく、しかもヘッドアームから独立しているので、デザインバリエーションが作りやすく、そのせいか、コラボモデルも含め、かなり多くのバリエーションモデルが存在する。見た目を特徴づけるスチールパイプを使ったジョイントと長さの調整機構のデザインが、昔の無線機や飛行機用のヘッドホンに似たクラシカルなもので、そこに、現代風の意匠を重ねたあたりに、WeSCのセンスがうかがえる。

スタンダードなDJスタイルのヘッドホンのデザインに、ビビッドな色をマット仕上げで塗った「TAMBOURINE」は、一般のユーザーにも使いやすく、価格的にも買いやすい、いわば入門的なモデル。40mmのスピーカーに、金メッキのプラグ、延長コード付属など、基本スペックは他のモデルと同様。イヤーパッドが大きく密閉性が高いので、音漏れも小さく、音圧も十分。

DJカルチャーを本格的に取り入れた「オーディオテクニカ」

オーディオテクニカは従来よりカラーバリエーションが豊富なシリーズを展開。イヤホンやヘッドホンがファッションアイテムにもなるという方向を早くから模索していたメーカーの1つ。しかし、それらはあくまで広いユーザーに向けた製品で、ストリート系ヘッドホンはまたジャンルが違うというのが、同社の考え。

オーディオテクニカとしては、カラバリやデザイン性というよりも、むしろ、4年前にDJ用モニターヘッドホンとして作られてベストセラーになった「ATH-PRO5」のような方向で、なおかつ、アウトドアでタフなイメージがあるものをストリート系ヘッドホンと位置づけ、「ATH-XS7」「ATH-XS5」を投入。かなり尖った層を開拓しようとしている。

「ATH-XS7」は、圧迫感が少なく密閉感が高いため、装着感が良くて音漏れが少ないという、外で使うヘッドホンとしてはかなりレベルが高いイヤーカップを使用。首の後ろを回すタイプなので、帽子や髪形の乱れを気にせずに使えるのも、ファッション性を意識したデザインの1つ。首から回すタイプは、リスニングポイントがズレにくく、常に最適なポジションで音楽を聴ける。

また、スピーカー部分とケーブル部分のつなぎ目をヘッドホンのカップの中に入れているので、落としても断線しにくい。また、外周とケースのトップには、衝撃に強いラバー素材を採用。デザイン、素材ともに、ストリートでタフに使える仕様になっている。40mmのスピーカーは、十分な低音の音圧感を聴かせてくれる。しかも、国産メーカーだけあって、聴きやすく、高音もこもらない。価格から考えると、かなりの高音質と言えるだろう。

オーバーヘッドタイプの「ATH-XS5」はヘッドバンド部が軽く、イヤーカップ及びイヤーパッドが大きくしっかりしているので、装着感がとても軽快。音漏れもしにくい仕様になっている。イヤーパッドが滑りにくいせいか、装着したまま歩いても、リスニングポイントがズレないあたりに、オーディオテクニカの技術力を感じる。

コードのつなぎ目をケースに収めて断線を防ぐ機構や、外部からの衝撃に強いラバー素材の採用、40mmのワイドレンジスピーカー搭載といった部分は、「ATH-XS7」と同様。実際に聴き比べても、高音の抜け具合にやや差があるかといった程度で、低音重視のユーザーなら、音よりもデザインで選んでも問題ないだろう。

【オーディオテクニカ】ストリート系の元祖モデルも

オーディオテクニカのストリート系ヘッドホンの元祖に当たるモデル「ATH-PRO5 MS」。耐入力1300mWにカールコード、低音重視の音作りなど、DJ系や、エクストリームスポーツ系のユーザーにアピールする機能とデザインで人気を博した。プロっぽい武骨なデザインや、大振りで装着感の良いイヤーカップなど、後のSKULLCANDYの上位モデルを思わせる仕様がすでに実現している。

ポップなスタイルと、赤や白といったカラーバリエーションを用意した、「ATH-SQ5」は、ストリート系というよりも、もう少し広い層にアピールすべく作られた製品。音も低音重視ではなく、クリアですっきりしたサウンドに調整されている。折り畳んでカバンに収納できるることや、密閉感が高く装着感が良いイヤーパッドとカップなど、その技術そのものは、ストリート系ヘッドホンにも継承されている。
(nikkei TRENDYnet)