山スキーヤーを突然襲った上山市の蔵王・熊野岳(1841メートル)山腹での雪崩。雪崩に巻き込まれた白鷹町荒砥乙、無職、梅津栄一さん(76)と一緒に滑っていた山形市漆山の無職、千田勝郎さん(74)は「声も音も聞こえなかった」と突然襲った白い恐怖を語った。

千田さんは「(雪崩の音は)全然しませんでした。声も何も聞こえなかった。見てなかったもんですから」とつぶやいた。また「(現場は)2〜3度通ったことがあった。なだれ注意報が出ていたことは知っていたがうっかり行ってしまった。すみません」と、うつむき加減で話した。

梅津さんと千田さんは山形大山岳部OB会の登山仲間。ロープウエーの「地蔵山頂駅」から入山。熊野岳から中丸山(1562メートル)北側の沢筋を滑り降り、蔵王温泉スキー場の大森ゲレンデを目指していた途中、梅津さんが雪崩に巻き込まれた。

蔵王スキーパトロール本部によると、地上からの捜索は千田さんが目印として置いたリュックサックとストックを頼りに約4メートルのゾンデ棒を使って約45分間した。上山市蔵王連峰遭難対策委員会の男性隊員(53)は「もともと凍っていた雪の上に、9〜10日に新しく降った雪が積もった。それが雪崩の原因ではないか」と話した。

13日は午前7時ごろから上山署員や自衛隊員などの約50人が捜索にあたる。
(毎日新聞)