コングロマリット(複合企業)YTLは、完全子会社のYTLホテルズ&プロパティーズ(YTLHP)を通じて、北海道のリゾート運営会社ニセコビレッジ(後志支庁虻田郡ニセコ町)を買収すると発表した。取引総額は60億円。

YTLがマレーシア証券取引所(ブルサ・マレーシア)への報告によると、シティグループ・ファイナンシャル・プロダクツ(CFPI)と同社の完全子会社であるPCワンおよびPCワンが全額出資する近畿インベストメンツの3社と8日に合意した。
 
PCワンからニセコビレッジの発行済み株式の100%に当たる49万6,184株を取得するほか、近畿インベストメンツが保有する同地の不動産を取得。ニセコビレッジのCFPIに対する債務もすべて引き受ける。取引が完了すれば、ニセコビレッジはYTLHPの完全子会社となる。
 
YTLはニセコビレッジについて「高級住宅と商業施設の開発により、四季を通じた世界水準のリゾートに開発できる潜在性がある」と指摘した。今期の業績への影響はないものの、長期的には収益改善に貢献するとの見通しを示している。
 
日本政府観光局(JNTO)関係者はNNAに対し「北海道へのマレーシア人観光客誘致に好影響を与える」との見方を示した。ニセコでは近年、豪州や香港からコンドミニアムなどへの資本流入に伴い、同地からの観光客も増加したという。「マレーシア人の北海道旅行はこれまで各地を泊まり歩くスタイルだったが、リゾート滞在型が増えていく可能性がある。現在主流の華人からマレー人に裾野を広げるために必要なハラル(イスラム教徒向け)対応でも、マレーシア企業の進出は好影響を与えるだろう」との見解を示した。
 
ニセコビレッジはニセコアンヌプリ山麓の617ヘクタール(617万平方メートル)を占めるリゾートで、うち462ヘクタールを占めるフリーホールドの土地には、「ヒルトンニセコビレッジ」(客室数506)と「グリーンリーフホテル・ニセコビレッジ」(同200)のホテル2館と18ホール構成のゴルフ場が2カ所がある。リースホールドの155ヘクタールの土地はスキー場として、スキーリフト7基とスキーコース15本が整備されている。また周辺のスキーリゾートであるニセコアンヌプリ、ニセコグラン・ヒラフとともに、ニセコユナイテッドを構成する。
(NNA)