スイスに生活拠点を移して3シーズン目、環境を大きく変えて夢の表彰台を目指してきた竹内の3度目の五輪挑戦は、9位だったトリノ大会を下回る13位に終わった。決勝トーナメント1回戦での脱落に「悔しいです」。涙が止まらなかった。

「スタンドに見えるスイスと日本の国旗が強い支えになった」という予選は、まだ心に余裕があった。「確実に決勝に残ることを考えた」という1本目、「攻めることができた」という2本目をまずまずの内容で終え、10位で決勝トーナメントに進出。しかし、生き残りをかけた決勝1回戦は、苦しんだ。

1本目0・79秒の遅れで終えると、2本目は序盤から相手にリードを許す。挽回しようとした中盤でコースアウト。「雪が柔らかくて、板を走らせようと思ったが、次のターンに入っていけなかった」と悔やむ。苦手な雪質で、さらに難易度の高い急斜面が好きなタイプ。合わない条件だったが、今季の不調が結果につながってしまった。

昨季はワールドカップ(W杯)で自己最高の2位に4度も入り、世界選手権4位。安定した結果を残したが、今季は一転して大不振に陥った。W杯自己最高が6位、何が原因となったのか。ドイツ語の習得や様々な苦労を経て昨季は成功にたどりついたが、「自分のやってきたことが証明できたと感じた後、なんか、ピンと張っていたものが切れてしまった」と振り返る竹内。明らかに、1年前の自信に満ちた表情ではなかった。

「昨年度の滑りのほうがいい」と分析する上島しのぶコーチは「新しいチャレンジをしていく過程の中にいる今」と竹内を評した。さらに、上を目指そうとしたが、それが新たな苦しみとなった、この1年。今後について26歳は「自分の心の中では、同じようにスイスでやっていきたい」と言葉を絞り出した。
(産経新聞)