◇やむなく滑走機会制限も
目の不自由な人のスキー「ブラインドスキー」を支えるサポーターをスキーヤーとサポーターで作るサークルが募集している。若者にスノーボード人気が広まりスキーヤーのボランティアが集まりにくくなった面もありサポーター不足が深刻化。ブラインドスキーヤーの滑走の機会を制限せざるを得なくなっている。

この団体は、ブラインドスキーヤーを東京でサポートする会「T.A.B.S.」(松矢英晶代表)。92年に都盲人福祉協会青年部が主催して始めたスキーツアー参加者が母体となり、03年に結成された。当初は、女性の保育士が多かったが、結婚、子育てなどを経て活動から遠ざかり、大学生らも就職で引っ越してしまうなど後継者難に直面している。

ブラインドスキーは、全盲や弱視の人らが行うスキー。道具は一般と同じだが、目立つゼッケンなどをつけている。スキーヤーを挟んで前後にサポーターが付き一緒に滑る。前の人は背中にスピーカーを背負い、声で方向を指示する。左側に子供がいれば、「右へ」という具合だ。鈴を鳴らす場合もある。

後方の人は、他のスキーヤーやスノーボーダーが接近しないよう、周囲に声をかけ、保護する役割。サポーターが3人付く時もある。スノーボードの雪面を削る音が大きいため身の危険を感じる視覚障害者もおり、サポーターの役割は大きくなっている。

T.A.B.S.事務局を務める会社員、栗田誠さん(49)によると、視覚障害者にとっての楽しさは「自分で作る風を感じられること」。「目の不自由な人はバイクや自転車に乗れないので、普段、自分主導で風やスピードを感じる機会がない。冷たい風が気持ち良いと言います」と栗田さん。

年3回、東北などのスキー場へ2泊3日でツアーを行っている。東京からのサポーターが約10人、訪問先の社会福祉協議会を通じて募集した現地のサポーターが約10人ほどしか集まらないため、ブラインドスキーヤーの参加は約10人に絞られる。ブラインドスキーヤーのメンバーは約50人に上るが、サポーター不足からツアー参加は年1回に限定せざるを得ないという。

「サポーターの数次第で、ブラインドスキーヤーも増やせる。一緒に楽しんでくれる人に参加してほしい。スキー以外でも荷物管理などさまざまなサポートの方法がある」と幅広い支援を呼び掛けている。今月19〜21日に新潟県の妙高高原、3月12〜14日に福島県の裏磐梯のスキー場へのツアーが計画されている。連絡先のメールアドレスはtabs@live.jp
(毎日新聞)