決勝の2本目最後で転倒し、頭を抱える青野=カナダ・サイプレスマウンテンで2010年2月17日、手塚耕一郎撮影◇バンクーバー五輪(第6日・17日)、スノーボード男子ハーフパイプ

◇国母8位、青野9位

決勝の1本目。国母は転倒し、青野は最初のエアにミスが出た。スノーボードで日本初となるメダル獲得はならなかったが、大きな一歩を踏み出したことは感じられた。

青野と国母の2人が決勝へ進んだのは、戦略が功を奏した結果だった。2人とも縦回転を含む難易度の高い技を避ける安全策を取った。技に余裕がある分、エアに高さが生まれ、手堅くまとめれば得点も伸びる。得点が出れば気持ちの面でもリラックスでき、準決勝を回避できればスタミナを回復することも可能になる。すべてが好循環を生んでいた。

五輪シーズンが幕を開けたばかりの昨夏、ショックに見舞われた。五輪連覇を狙う米国のスーパースター、ショーン・ホワイトが、回転軸を斜めにしながら横に3回転する「ダブルコーク」を披露。さらに、五輪前哨戦とされた1月下旬の高額賞金大会・冬季Xゲームでは、縦2回転を織り交ぜた複雑な大技「ダブルマックツイスト」を披露した。

「世界」が2人を刺激し続ける。国内では室内練習場でトレーニングを積む青野は「リスキーな技をするには(室内だと)つらい部分がある」と青野。昨秋には、体操のアテネ五輪金メダリスト・米田功さんに指導を仰ぐなど、ままならない競技環境を、意欲的な取り組みでカバーしてきた。国母も昨年11月の米国合宿などで腕を磨き、既に実戦で「ダブルコーク」を成功させている。

常に広い視野を持ち、高い目標に向かって歩み続けた結果が、バンクーバーで一定の成果を生んだ。
(毎日新聞)