公式服装の着こなし問題で謝罪したスノーボード・ハーフパイプ(HP)代表の国母和宏(21)=東海大=ら日本チームが14日、バンクーバー入り後、会場となるサイプレスマウンテンで初の公式練習を行った。コースに向かう途中でテレビ局のカメラに両手を広げコメントを拒否。練習後には日本チームの萩原文和監督(52)が、17日(日本時間18日)の試合終了後まで「取材ご配慮」を報道各社に口頭で依頼するなど、異様なピリピリムードに包まれた。

国母の服装乱れ問題は、本人の謝罪会見で収束したかに思われたが、再びくすぶり始めた。本番コースへ行くため、リフト乗り場に向かう国母ら4選手をテレビ局のハンディーカメラ4台が追う。何を聞かれても無言を貫き「何か問題でも?」と言いたげに、両手を広げて見せた。あきらめずに追いかけるカメラに、最後は「寝すぎて体が動かない」「雪を見るのは2週間ぶり」などと答えたが、練習前には萩原監督に「追いかけ回された」と不満を口に。取材対応をやんわり“拒否”する姿勢を見せた。

9日に到着後、渦中の人になって以来、初めての公式練習は約2時間。国母は雪の状態とパイプの出来具合を入念に確認。1本滑り下りるたびに下から見上げ、ほかの日本チームのメンバーと笑顔で話した。技の大きさと正確さは、トリノ五輪金メダルのカリスマ、ショーン・ホワイト(米国)も認める世界屈指のレベル。だが、マスコミへの対応は苦手のようだ。

取材陣は公式練習後、本人から練習の感想を聞きたいと、日本オリンピック委員会(JOC)広報担当者に取材を申し入れた。だが、萩原監督は「競技に集中させたいので、試合が終わるまで取材は待ってほしい」と繰り返すだけ。結局この日、国母の取材は許可されなかった。その後、15日(日本時間16日)の練習で取材対応するかを、再度検討したいということになった。本人の意志、というより、日本チームの首脳陣が、国母やほかの選手に気を使っているだけのように聞こえる。

公式服装を自分なりにアレンジした、腰パンにシャツを出すなどの乱れたスタイルを目にした人から、抗議電話やメールがJOCや所属する東海大に殺到したことで、突如“ヒール”になった国母。この服装問題が練習に影響を及ぼしたかと萩原監督に尋ねると「心の中まで見られないので分からない」と話した。

10日の選手村入村式を自粛させ、12日には一時、全日本スキー連盟が出場辞退を申し入れた。その後、それまで2つ着けていた鼻ピアスを1つ外した本人と日本選手団の橋本聖子団長(45)が会見し、謝罪。橋本団長が「全責任は私にある」と、温情裁定する事態にまで発展した。反省の証しなのか、この日の鼻ピアスも1つだけだったが、“国母騒動”は収まる気配を見せない。

【国母騒動の経緯】
▽9日 成田空港でサングラス姿で登場。ネクタイを緩め、シャツを出した“腰パン”で出発。
▽10日 JOCやスキー連盟に抗議が殺到し、連盟は入村式出席を自粛させた。会見では報道陣の質問に「チッ、うるせーな」と舌打ちして「反省してま〜す」。これにも抗議が殺到。
▽11日 所属する東海大にも抗議が殺到。連盟幹部は、同じようなことがあれば強制帰国も示唆。
▽12日 連盟が国母の出場辞退をJOCに申し入れたが、橋本聖子団長が温情措置で出場許可。鼻ピアスを1つ外して聖子団長と謝罪会見を行ったが、開会式は欠席した。
(スポーツ報知)