青野令(写真:産経新聞)□スノーボード・ハーフパイプ

■「打倒ホワイト」へ執念

W杯で2度の種目別優勝を果たし、昨年1月の世界選手権も日本人で初めて制した。だが、「自分は真の王者じゃない」と言う。いずれも米国のトップ選手が不在だったからだ。

米国勢は2002年ソルトレークシティー五輪、06年トリノ五輪と連続で男女の金メダルを独占。通常、W杯にほとんど出場せず、北米の高額賞金大会を転戦する選手たちの秘めた実力は計り知れない。

その象徴がトリノ五輪金メダリストで、「世界最強」の呼び声が高いショーン・ホワイト。バンクーバー五輪テスト大会を兼ねた昨年2月のW杯で青野は2位になったが、審判員5人中3人が10点満点の9・5点以上をつけたホワイトには圧倒的な力の差を見せつけられた。昨年8月の今季W杯開幕戦、12月の米国グランプリでも完敗。そのホワイトは今季、縦2回転横3回転の新技「ダブルコーク」を披露するなど、さらに進化した姿を見せている。

このため、今季は持ち味の世界屈指のジャンプの高さと横回転に加え、練習では縦回転にも取り組むなど技に磨きをかけてきた。04年アテネ五輪体操男子団体総合優勝の米田功氏にも連絡を取り、ホワイトの映像を分析してもらい、トランポリンで体の使い方を教わった。「打倒ホワイト」「真の世界一」奪取へ、若き執念を燃やす。

温暖な愛媛県松山市で生まれ育った。一見、雪とは無縁の地に思えるが、地元には国内で2カ所しかない屋内施設「アクロス重信」があり、誰よりも練習を重ねてきた自負がある。

若手が多く、髪形や服装、言動などからどこか“軽い”というイメージで見られがちなスノーボード・ハーフパイプの世界だが、競技と向き合う青野の姿勢は真剣だ。常に口にするのは「競技をメジャーにしたい」。

そのためにも来月の五輪本番、19歳の今のすべてをぶつける。
(産経新聞)