1月12日、開幕まで1カ月となったバンクーバー冬季五輪だが、関係者にとって「交通手段」と「天候」が頭痛の種になっている。写真は五輪開催までの残り時間を示すカウントダウン時計(2010年 ロイター/Andy Clark)2月12日に開幕するバンクーバー冬季五輪まであと1カ月。地元では控えめに大会を待ち受ける中、関係者にとって頭痛の種となる問題が2つある。それは「交通手段」と「天候」だ。

五輪組織委員会(VANOC)のジョン・ファーロング最高経営責任者(CEO)は12日、記者会見で大会直前の準備状況などを説明。「皆がわくわくして、地元にいるようでそうでないようにも感じている。残る3─4週間、仕上げの重要な仕事に取り組む」と意気込んだ。

五輪期間中のひとつの見所は、華やかに飾られる開催地そのものだが、現地ではまだカラフルな横断幕や看板は多く見られず、世界最大のスポーツイベントが近づいているという雰囲気はうかがえない。アルペンスキー競技が行われるウィスラーでも同様だ。

作業員がクリスマスの飾りを下ろす様子を見ていたある米国人観光客は、2日前まで五輪が開催されることを知らなかったという。

これに対し、ファーロングCEOは「(地元の)熱狂ぶりは素晴らしい」と話し、大会本番になればバンクーバーもウィスラーも五輪ムードで盛り上がるだろうと述べている。

一方で、五輪が足早に近づいていることを示す例もある。

警備用の柵がダウンタウンにある競技会場周辺に続々と設置されているほか、地元当局も住民に対し、大会期間中の交通規制の導入に注意するよう呼び掛けている。

VANOCは12日、通行止めの範囲拡大を発表し、交通渋滞や公共交通機関に並ぶ長蛇の列に対する懸念も広がっている。市当局は、多くの競技会場が集まるダウンタウン中心部に家や仕事場がある人に対し、大会期間中、徒歩や自転車または公共交通機関の利用を要請している。

また、ウィスラーでも問題がある。多くの人にとって観戦に行くための唯一の足は、オリンピックバスとなるはずだが、これまでにバスを予約している人はチケット保有者の40%にすぎず、交通手段をめぐり混乱が予想されている。

VANOCのテリー・ライト副会長は「もし、観客が出発間際にバスへの乗換え地点に到着しても、競技に間に合うように会場まで運ぶことは不可能だろう」と話す。

さらに、季節外れの温かい気温と今週バンクーバーが見舞われた激しい雨も、冬季五輪が自然に左右されやすい大会であることを思い起こさせる。

地元では「パイナップル・エクスプレス」として知られる温暖前線によって、スノーボードやフリースタイルスキーの会場となるサイプレスマウンテンでは競技が行えない可能性もある。

VANOCのスポーツ担当副会長であるティム・ガイダ氏は、「天候は常に大会計画の中心にある。たとえ温かい気温が続いても、サイプレスマウンテンで競技を行える十分な雪を確保するために、できる限りのことをやる」と話している。
(ロイター)