冬のリゾートでの楽しみをPRする、プリンスホテルの渡辺幸弘社長(左から2人目)と東急リゾートサービスの有馬修社長(左)=27日、東京都豊島区(写真:フジサンケイビジネスアイ)スキー場の活性化を図ろうと、西武ホールディングス傘下のプリンスホテルと東急不動産傘下の東急リゾートサービスは27日、スキー事業の販促活動の共同展開を始めた。衰退傾向にある国内のスキー需要を再び掘り起こそうと、ライバル同士がタッグを組む異例の活動だ。市場活性化を狙いにした会社の垣根を越えた取り組みは、今後さらに増えそうだ。

第1弾として、両社は同日、東京・池袋のサンシャインシティで始まったイベント「ウィンターリゾート2010」に共同出展した。両社が運営する18のスキー場で利用できる共通割引リフト券の販売を始めた。29日までの3日間限定で、計1万5000枚を販売する。

プリンスホテルの渡辺幸弘社長は「スキー場だけでなく、ホテルの運営、着替え場所や休憩場所の確保など、お客さまのニーズに合った運営をしていきたい」と話し、アンケートを通じて利用者目線のサービス提供を目指す考えを示した。メーンターゲットはファミリー層で、来年1〜2月は子供向けにスキーやスノーボードの無料講習会を開き、来季は共通のパンフレットを作成する。

来月にはリフトやロープウエーの保守・点検の担当者らを対象にした合同研修会も開くなど、両社の連携は緩やかに広がっていきそうだ。

両社はそれぞれ40年以上にわたってスキー事業のノウハウを蓄積してきた。プリンスは苗場スキー場(新潟県)、東急はニセコマウンテンリゾートグラン・ヒラフ(北海道)など、計20カ所のスキー場を運営し、昨年度の入場者数は計500万人だった。ライバル同士の連携は、昨年のイベントで、はす向かいに出展していた担当者同士が「業界を盛り上げるために一緒に何かできないか」と立ち話をしたことがきっかけで始まったという。

背景にはウインタースポーツの衰退がある。1998年の1800万人をピークにほぼ半減し、特にスキー人口の減り方が目立つと指摘されている。東急リゾートサービスの有馬修社長は「団塊世代の学生時代や新入社員時代はスキーが冬の一番のレジャーだった。かつてスキーに熱い思いを持っていた方々に再びスキー場に来ていただきたい」と集客増に向け力を込めた。

バンクーバー五輪が開かれる今冬は「スキーをやってみたいという未経験者の増加が期待できる」(渡辺社長)ほか、土日祝日の高速道路を上限1000円で乗り放題となる施策についても「利用者増が見込める」(有馬社長)。スキー場活性化にかける両社の思いは熱を帯びそうだ。
(フジサンケイ ビジネスアイ)