◇「利用促進や説明もない」 住民が存続の会
米沢市の小野川温泉街から約500メートルの「市営小野川スキー場」の「早ければ来春での廃止」に向け市が検討を始めた。近年の雪不足、利用者減と「維持管理に多額経費が必要」との理由から行財政改革でムダと「仕分け」された。これに反対し、「市営での存続」を求め、地元・三沢地区の住民や体育協会、温泉PR活動を続ける温泉街の若手の「観光知」実行委らが立ち上がり、「存続させる会」を今月設立した。「料金見直しや利用促進も図らず、住民説明もない」と不信感を募らせ、市民などに訴える考えだ。

「市はスキー場の土地を所有する温泉旅館組合員で作る小野川開発に廃止を伝えているが、利用する我々は何も知らされていなかった」と存続させる会会長の鈴木元・三沢地区体協会長は憤る。

スキー場は市民総合体育大会スキー会場や小学校のスキー教室、強化練習の教育の場でもある。だが、「来春にも廃止」は子供のころから利用してきた住民や三沢体協関係者らには寝耳に水だった。

鈴木会長は「リフト1日券が高校生以上3210円、中学生以下1930円と設備に合わず高い。安くして利用を促すこともしない。夏場のクロスカントリー利用など施設を有効に活用する意識も市には感じられなかった」と市の無策を憤る。9月から会設立に動いた旅館若(わか)女将(おかみ)の一人は「赤字だから廃止なら、市内の他の体育施設も元はとれていないはず。子供たちのため残したい」と話す。

利用者は04年度以前は9000〜1万人、05年度以降は5000〜7000人台だ。06年度から年間1200万円支払い民間に管理委託するが、リフト収入は06年度以降200万円以下。差し引き年1000万円の赤字という。さらに10年度から6年間でリフト整備費が計2200万円かかるという。

このため、08年度からの市行財政改革大綱集中改革プランで「廃止」方針となった。市は「米沢」「天元台高原」「栗子国際」の市内3スキー場の民業圧迫懸念も背景にあるとする。

市体協の色摩安紘会長は「市民総体スキーの各種目が1カ所でできるので存続がベスト。でも現状は厳しく、正式には聞いていないが市は“つぶす”考えに取れる」と話す。市社会教育課は「小野川開発と市体協、スポーツ少年団などに廃止に向け説明した。地元利用者には土地会社が窓口」というが、地元への説明不足は明らかだ。

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◇小野川スキー場
1923(大正12)年開設され、57年に当時の温泉観光会社経営となりリフトを整備。59年の国体スキー大会には皇太子時代の天皇陛下もスキーを楽しまれたという。93年から市営。ペアリフト1基や延べ床面積494平方メートルの2階建てスキーセンターもできた。約9ヘクタールの広さに長さ500メートル、高低差122メートル、平均斜度12度のゲレンデ一つがある。営業期間は12月25日〜3月15日。

(毎日新聞)