北海道美深町がフリースタイルスキー「エアリアル」の振興に力を注いでいる。約4年前に町教委が「エアリアルプロジェクト」を始動。元五輪選手を指導者に招いて選手育成を進めるなど、来年2月のバンクーバー冬季五輪を前に、町民らは「いつかは美深町から五輪選手を」と夢を膨らませている。

美深町は80年の町民体育館建設時にトランポリン設備を導入して選手の育成に取り組んできた。ただ、ジャンプ競技で岡部孝信、葛西紀明両五輪選手らを輩出した下川町など近隣町村に比べ、冬季スポーツでは盛り上がりに欠けていた。

こうした中、04年10月ごろに日本オリンピック委員会の役員が町内でトランポリンを見学し、空中での演技という共通点があるエアリアルの振興を提案。「美深初の五輪選手を出そう」と盛り上がり、06年11月には約2200万円をかけて町営スキー場に全日本スキー連盟の公認コースを整備。ナショナルチームの合宿や全日本選手権を開催してきた。

さらに、町内の子供たちで作るチーム「美深エアフォース(BAF)」が結成され、元トリノ五輪代表の逸見佳代選手を指導者に招いて選手育成も本格化させた。現在、小3〜大学2年の9人が所属するBAFには、ナショナルチームの南隆徳選手(北翔大)もおり、夏も札幌市まで出向いてプールを使った練習を繰り返しているという。

06年のトリノ五輪では、町民が選手団に寄せ書きを贈るなど、町ぐるみの応援も浸透してきたという。町教委の市名鉄雄主幹は「エアリアルを通じて五輪が身近になってきた。競技人口をもっと増やしたい」と話している。【金子淳】

【ことば】▽エアリアル▽ フリースタイルスキーの一つで、キッカーと呼ばれるジャンプ台からストックなしで跳躍し、空中で体を回転させて演技の難易度や着地の正確さを競う。94年リレハンメル五輪から正式種目になった。
(毎日新聞)