山形県尾花沢市ふるさと振興公社と鶴子地区の住民が、地区のスキー場の一角に炭窯をよみがえらせる事業を共同で進め、22日に完成した。地元産牛肉の一部が本年度、「尾花沢牛」として売り出されたのに合わせ、地元の炭で焼く牛肉の魅力を伝える。関係者は「炭を通じ、地元牛の知名度アップを目指す。炭焼き体験会なども行い、過疎化が進む集落を活気づけたい」と張り切っている。

窯は、鶴子地区の花笠高原スキー場の一角に出来上がり、初窯出しも済ませた。深さ1.5メートル、奥行き1.5メートル、幅1.4メートル。1回で約15キロの白炭が焼ける。

振興公社は窯の特色を打ち出そうと、ブランド化を目指す尾花沢牛と結び付けた。市内の畜産農家でつくる「尾花沢産牛振興協議会」は「山形牛」として販売してきた地元産牛肉について独自の品質基準を定め、一部を尾花沢牛と銘打って売り出した。

8月14、15の両日、尾花沢市の徳良湖畔花笠広場で開かれる恒例の「尾花沢牛肉まつり」では、提供した白炭で肉を焼いて食べてもらう。

振興公社は「火が長持ちする白炭は焼き肉にぴったり。尾花沢牛のシンボルとして長く親しまれる窯になればうれしい」と話している。

炭焼き体験会は、5〜10人の参加で随時行う。鶴子地区はかつて炭焼きが盛んで農家の貴重な収入源だったが、10年ほど前に途絶えた。今回は、地元の石も用いるなどして往時の窯にできるだけ近づけたという。

窯の復活に力を尽くし、体験会の講師も務める鶴子地区の伊藤今朝蔵さん(77)は「炭焼き経験者の高齢化が進んでおり、培った技術を次の世代に伝えたい」と語る。

連絡先は振興公社0237(23)3261。
(河北新報)