マサチューセッツ州ハンコック(CNN) 米マサチューセッツ州ハンコックにあるジミニー・ピーク・マウンテン・リゾートは、北米初の風力発電を利用して電力を供給するスキー場だ。大きな風車で生み出される電気は、必要な電力量の3分の1をまかない、年間45万ドルの経費削減に成功している。しかし、風車によって付近のコウモリの生態に悪影響が及んでいるとの懸念も浮上した。

リゾートのブライアン・フェアバンク会長兼最高経営責任者(CEO)にとって、人工雪の経費がばく大になることが悩みの種だった。しかし、ある時、冬の間中、吹き荒れる「風」を利用したらどうかとの提案を受け、風力発電を思い立った。

風車の設置までには3年以上の年月が必要だった。建造物が航空機や鳥類、絶滅の危機にある動植物に与える影響について、米連邦航空局(FAA)が定める基準を満たさねばならない。さらに、風車の設置場所は道がないような山上で、建設が難航した。

風車の設置が完了し発電が開始できるようになったのは、2007年の秋た。総工費は400万ドル。風車はギリシャ神話の風の神にちなんで、「ゼファー」と名付けられた。巨大な風車はスキー場に電力を供給するだけではなく、訪れる人々の注目もひく「名物」になった。

しかし、この風車の影響で、付近のコウモリが危機にさらされているとする専門家の指摘が出始めた。

ボストン大学のトーマス・クンツ生物学教授によると、コウモリは風車の「羽根」にぶつかって死ぬよりも、風車が回る際に気圧が下がることで出血に至り、死んでいるという。クンツ教授によれば、約80%のコウモリがこういった状況で死んでいると懸念している。

一方、フェアバンク氏は、近郊の人々からはあまり苦情はないと胸を張る。リゾートが電力を余り使わない夏には、地元の住宅や企業に送電しており、「環境にやさしい」とその有益性を主張している。
(CNN.co.jp)