キッズ用スノーウエアーを見定めする子連れの女性=東京・新宿区の伊勢丹新宿店(写真:産経新聞)ウインタースポーツシーズン真っ盛りのゲレンデに今冬、異変が起きている。かつての若者に代わり、子供の姿が目立ってきたためだ。子供の集客増は、低迷するスノーレジャー人気を回復させるカギになるとみて、スノー用品業界は熱い視線を送る。スキー場もキッズパークを設けるなど知恵を絞り、ゲレンデの主役は子供に移りつつある。

「1990年代にスノーボードをしていた世代が親になり、子育てが一段落し、ゲレンデに戻ってきている。ゲレンデの託児所に預けるのではなく一緒に遊ぶので、キッズウエアの需要が出てきている」

スノーボード用品メーカー最大手「バートン・ジャパン」広報担当の石原公司さんはそう話す。同社は平成19年から、それまでの小学生用サイズに加え、3歳ぐらいから着用できるキッズサイズウエアを開発し売り上げは好調だ。

伊勢丹新宿店(東京)でも、昨年秋から子供用スノー用品売り場を拡充、キッズウエアの販売に力を入れている。

ゲレンデ側もさまざまなアイデアで子供を迎え入れている。福島県の会津高原だいくらスキー場は今冬、子供向けキッズパークにぬいぐるみやブロックを置いて、低年齢の子供の集客にも対応している。

「skier親子版 全国ファミリースキー場ガイド」(山と渓谷社)によると、全国の約560カ所のゲレンデのうち、136カ所がこうしたキッズパークを併設したという。

家族連れでスキーを楽しむ人が増えた背景には、学校教育も影響している。

産経新聞の調べでは、雪山体験教室を導入している都内私立小は、平成元年までは53校のうち17校だったが、今年1月現在は29校と大幅に増えた。さらに2校が来年参入する。

社会経済生産性本部がまとめたレジャー白書によると、スキー人口は5年の1860万人がピークで、19年は560万人と大きく低下。若者に人気のスノーボードも、ピーク時の14年の540万人から19年には400万人まで下がった。

同本部の柳田尚也主任研究員は「子供連れの家族客が増えれば、ゲレンデ周辺のホテルや民宿の活性化にもつながる。好きなレジャーに集中する選択投資型余暇時代なので、子供のときから親しめば大人になっても続ける可能性が高く、スノーレジャー人気回復につながる」と分析している。
(産経新聞)