2009年フリースタイルスキー世界選手権猪苗代大会が3月、福島県猪苗代、磐梯両町の三つのスキー場で開催される。2年前のリハーサル大会後に発覚した資金不足による予算問題は、ようやく一定のめどが立った。開催まで2カ月を切り、関係者は大会成功に向けてラストスパートに入った。(福島総局・大友利幸)

世界選手権は3月2―8日の日程で、スキークロス、エアリアル、ハーフパイプ、モーグル、デュアルモーグルの5競技が行われる。来年に迫ったバンクーバー五輪の前哨戦となる重要な大会だけに、過去最大となる34の国・地域から604人の選手が出場を予定している。

大会組織委員会が試算した大会運営費は約5億1300万円。組織委は県や市町村からの補助金、選手・コーチの負担金、基金や財団からの寄付を除く2億円を、協賛金や募金などの形で企業から集める必要がある。

うち5000万円分は協賛金集めのパートナーとなる大手広告代理店、博報堂DYメディアパートナーズから受け取れることになった。残り1億5000万円を確保するため組織委は連日、県内外を駆け回った。

資金不足問題で依然マイナスイメージがつきまとう上、空前の不況とぶつかり、当初は苦戦が予想された。しかし組織委は14日、県議会政調会で、複数の企業から県に寄付の申し出があったことを明らかにした。具体的な額は示していないが、関係者によると、寄付総額は1億円を超え、協賛金と合わせると目標額の確保にほぼめどが立ったという。

組織委メンバーの1人は「企業が不況で広告費を削減せざるを得ない中、寄付という形で協力してくれたことに感謝している」とほっとした表情で話す。

<前売り販売不振>

もう一つ、大会成功の鍵となるのが誘客だ。前売り観戦チケットの販売は4日時点で977枚にとどまり、組織委の最終目標である1万2000枚には遠く及ばない。

若者を呼び込もうと、組織委は人気の男性デュオ「スキマスイッチ」に出演を依頼。2日の開会式でライブを開くことで承諾を得た。

ただ、それも話題づくりにとどまる。組織委関係者は「女子モーグルの上村愛子選手ら日本人選手が大会前のワールドカップで活躍して関心を高めてほしい」と期待する。最後は県内の自治体や関係機関にまとめ買いを頼むしかなく、不安は残ったままだ。

<独自に応援組織>

地元の猪苗代町では住民有志が独自に応援組織を結成した。町内外のイベントでの大会PRや折り紙でハクチョウを作って選手や観光客にプレゼントするなど、「ホストタウン」としての活動に取り組んでいる。津金要雄町長は「町としてやるべきことはちゃんとやってきた。あとは天候だけだ」と強い意欲と自信をのぞかせる。

組織委は多人数の東京出張では新幹線を使わず車で行くなど、節約にも努めてきた。県民の1人として、3年越しで準備を進めてきた関係者が笑顔で大会を終えられるよう願っている。
(河北新報)