円高や世界的な不況という逆風の中、外国人客の増加を狙う新潟県のスキー場が健闘している。海外での知名度では北海道のニセコや長野の白馬が先行するが、主なターゲットをロシアや東アジアに絞り、国外でのPRや受け入れ態勢の整備に力を入れている。

年間来場者数が約130万人を誇る湯沢町の苗場スキー場。リフト前の行列からは日本語以外の会話も頻繁に聞こえる。この冬に訪れた外国人は4日までで昨年同時期より1000人以上増えて、約2800人。ウォン安で韓国人は減少したが、ロシア人は昨年並みの約900人、約60人にすぎなかった台湾人は約1200人と大幅に増えた。

「ロシアのスキー場は寒いし設備も悪い。ここはリフトが多く、サービスも丁寧。温泉も最高」と話すのはロシア・ハバロフスクの銀行員、インナ・ボロニナさん(52)。年末年始の休暇を家族と苗場で過ごした。

同スキー場では2年前からロシア、中国、韓国3カ国のスタッフを配置し、対応している。ロシア極東の主要都市、ウラジオストクやハバロフスクと新潟空港との間に直行便があることも新潟の強みだ。

南魚沼市の上越国際スキー場では3年前からスキーの国際大会を開催し、競技のある4日間を挟む1週間で東アジアに加え、欧州や北米からも延べ約1000人が利用する。同スキー場は「首都圏から近く、東京観光と組み合わせることができるのも大きな魅力」と訴える。

9カ所のスキー場がある妙高市では、2年前は約100人だった外国人宿泊客が昨年度は約500人に。同市観光協会は予約状況などから今季は約3000人を見込んでいる。

行政の後押しもある。新潟県などは5年前から東アジアの旅行業者やマスコミを県内スキー場に招待し、温泉や日本食も一緒にPRしてきた。県観光振興課広域・国際観光室の上石幸治室長は「観光地としての新潟の知名度は海外ではまだ低いが、PR活動で少しずつ浸透してきた」とさらに期待を膨らませている。
(フジサンケイ ビジネスアイ)