◇英語表示、大型レンタル用品用意/安比など、県もガイドマップ作成へ
金融市場の混乱でウォン安が進み集客が厳しい韓国スキー客に代わり、オーストラリアから旅行客を呼び込もうと、県内スキー場などが取り組みを始めた。安比高原スキー場(八幡平市)では、既に英語の案内表示や大きいサイズのレンタル用スキー用品など受け入れ態勢を準備。口コミで評判が広がった北海道ニセコ町の成功例に続こうと、スキー場の垣根を越えた活動を行っている。

盛岡周辺のスキー場で組織する「いわてウインターリゾート協議会」は今年5月、スキー旅行博が開かれた豪シドニーに行き、現地の旅行業者らにアピールした。先行して受け入れ態勢を整えた安比高原スキー場では、豪州から今季延べ300泊の利用を見込む。

安比高原や雫石プリンスホテルを中心に県内スキー場は、これまでに韓国スキー愛好家を誘致する営業を展開してきた。県も04年から毎年、韓国の旅行業者を招くなど、魅力をPR。4〜9月を除くシーズン中に県内を訪れた韓国人旅行者は、04年の1241人から07年は8939人に急増した。

しかし、今季はサブプライムローン問題に端を発した金融不安のあおりを受け、円高・ウォン安に。韓国からの旅行代金は昨年同期に比べ、1・5倍程度になり、従来通りの利用が見込めなくなった。安比高原スキー場を運営する岩手ホテルアンドリゾート安比営業本部の大畑孝志本部長は「一時、昨年から半減することも覚悟した。東北全体で落ち込んでいる」と話す。

また若年層中心の韓国に対し、豪州は家族連れが多く、長ければ20日程度と滞在日数も長い。韓国スキー客が平日1泊2食付き9000円前後のところ、「オーストラリア人ならば、日本人と同程度の料金(平日1泊2食付き1万2000〜1万3000円)が見込める」(大畑本部長)など利点が多い。

ただ課題も残る。豪州のスキー客は日本文化も楽しもうと、スキー場近くの都市で食べ歩く傾向がある。そのため英語を話す店員の準備など受け入れ態勢の整備が必要になる。県では、英語のガイドマップを作成する予定で、安比高原は今季から盛岡市中心部との送迎サービスを始めた。

政府観光局のまとめでは、先行例の一つ、長野の豪州からの宿泊客は、05年の延べ3562人から07年は延べ1万1298人まで増えた。県地域産業課は「ニセコに比べスキー場は広く、長野より雪質が良い。来てもらえば魅力は伝わるはず」と期待を寄せる。
(毎日新聞)