整理回収機構(RCC)は3日、北塩原村桧原の裏磐梯猫魔スキー場を経営する「裏磐梯高原開発公社」(大島良治社長)の会社更生手続き開始を東京地裁に申し立て、保全管理命令が出されたと発表した。負債総額は60億3400万円。スキー場の運営は当面、保全管理人の下で継続されるが、県内ではスキー場経営の破綻(はたん)が相次いでおり、観光業界などは先行きに懸念を強めている。

猫魔スキー場は「アルツ磐梯」「グランデコスノーリゾート」などと並ぶ県内有数の大型スキー場。

RCCや民間信用調査会社によると、同公社は北塩原村などが出資し86年2月に設立し、同12月にスキー場をオープンした。スキーブームやバブル景気に乗り、ピーク時の91年3月期には11億2700万円の売り上げを記録。その後、スキー客減少で経営が悪化し、01年9月に「マルト不動産」(会津若松市)など2社にほぼ全株式が譲渡された。今年3月期の速報値では、売り上げ2億3400万円まで落ち込んでいた。

RCCは03年に石川銀行(金沢市)から関連の債権を譲り受け、公社のみでの事業再生は困難と判断。地元経済への影響や北塩原村の強い存続要望を考慮し、スキー場維持を前提とする会社更生手続きを選んだ。従業員12人の雇用も継続する。保全管理人に選任された長屋憲一弁護士は「RCCの他に大きな借入金はなく、相当のスポンサーを見つければ十分に再生可能」と話した。

一方、北塩原村の高橋伝村長は「村の活性化にスキー場は必要で、なくなればダメージは計り知れない。スポンサー探しに協力したい」とし、裏磐梯観光協会の染谷洋三会長(56)は「冬の裏磐梯の集客を担う大きな施設。何とか運営を続けてほしい」と話した。

◇「若者のスキー離れは深刻」
県によると、県内スキー客は95年度の約465万人をピークに減り続け、06年度は約180万人だった。福島市の「あづまスキー場」が06年3月に閉鎖し、同12月には会津坂下町営スキー場が営業を停止。今年に入っても、猪苗代町でホテルとスキー場を運営する「セラヴィリゾート泉郷」が会社更生法適用を申請した。

県スキー連盟の浅川静英会長(71)は「若者らのスキー離れは深刻で、指導員の研修会にも人が集まりにくい。どこのスキー場も運営は厳しいはず」と語った。
(毎日新聞)