◇来年には花いっぱい
佐久穂町の八千穂高原スキー場で、シーズンオフのゲレンデを、かつての素朴な草花で彩る「秋の七草の野辺」復活のプロジェクト計画が始動する。グリーンシーズンのスキー場の活性化と、新たな観光資源を生み出そうという4年がかりの計画。ペンション経営者らの呼び掛けに応えて26日、同町の自然観察グループ、環境保護団体などで正式な組織を設立し、具体的な作業日程などを決める。

「秋の七草の野辺」計画は、同スキー場のリフト乗り場周辺の1万6500平方メートルに、キキョウとオミナエシの2種を植え付け、毎年、品種を増やしながら4年後にはハギ、ススキ、ナデシコ、クズ、フジバカマの植栽区画を設け、花巡りの遊歩道で結ぶ。

同高原の豊かな自然に惹(ひ)かれて移り住んだ住民やペンション経営者らが、オフのスキー場資源を何とか活用できないかを模索。最初は白ユリ、チューリップ、ラベンダーの花で埋めることを考えたが、同スキー場は八ケ岳中信高原国定公園内にあり、外来種は植栽できないことが分かった。そこで南相木村の園芸業者に相談したところ、かつては至る所に群生していた在来野生種のオミナエシ、キキョウなら「土地にも合っている」と太鼓判を押された。

同高原はシラカバを中心とした新緑、ツツジ、クリンソウ、10月の紅葉などを求める行楽客、写真愛好家が訪れ、7〜10月に咲くキキョウ、オミナエシは端境期を埋める花になり最適。すでに町の補助で苗を発注、5000株が5センチの大きさに育っている。

苗は地元の小中学生や多くの住民に協力してもらい、さらに畑で3カ月間成長させ、8月ごろにゲレンデに移植する。今年は花をつけないが、来年秋には一斉に開花するのを期待している。

八千穂高原区区長でペンション経営の新藤厚さん(57)は「日本古来の素朴な花が観賞できる野辺として気長に整備していきたい。観光による町おこしになれば」と意欲を燃やしている。
(毎日新聞)