ニセコブームに沸く北海道後志管内倶知安町で、スキー中にけがをする外国人が急増している。ニセコ地域の中核病院「倶知安厚生病院」(同町)は英語の話せる臨時職員を冬季限定で雇っているが、中国、韓国からの観光客も増えて「患者の多国籍化」が進み、受け入れ態勢が追いついていないのが実情だ。

ニセコのスキー場は01年の米同時多発テロをきっかけに欧米のリゾートを敬遠するオーストラリア人の間で人気を集め、上質のパウダースノーが世界的に知られるようになった。同町の外国人宿泊者数は01年度の延べ4216人から06年度は延べ9万1470人へ20倍以上に急増した。

これを受け同病院では05年度冬季(12〜3月)に345人だった外国人患者数が06年度冬季は2.4倍の831人に増加。スキー中の骨折などで整形外科を受診する患者が大半を占めているという。

同病院は04年から看護師や事務職員らを対象に週1回、英会話教室を開いているほか、昨年から英語のできる臨時職員2人が冬季だけ窓口対応や簡易な問診に当たっている。同病院医事課の藤田尚樹さん(27)は「言葉が通じないと患者はパニックになる。最近は韓国人や中国人も増えてお手上げ状態」と頭を悩ませている。

そこで倶知安町は今年2月、インターネット電話「Skype(スカイプ)」を利用し、外国人患者にカメラとマイク付きのパソコンで英語や中国語の通訳と会話してもらう実験を同病院で行った。今後も実験を重ねたうえで08年度中にも実用化し、町内の観光施設にも導入したい考えだ。

町観光振興係の西江栄二係長は「国際リゾートを目指す町としては避けて通れない問題。隅々まで行き渡った受け入れ態勢を早く整えたい」と話している。
(毎日新聞)