◇破綻で全国から関心
夕張市の財政破綻(はたん)で経営が第三セクターから民間の「夕張リゾート」に移って初めての冬を迎えた「マウントレースイスキー場」で修学旅行客が増えている。道内を訪れる修学旅行客が減少傾向にある中、同スキー場を修学旅行先に選んだ学校は05年度27校、06年度31校から07年度は予約を含め35校に。財政破綻で全国的に夕張への関心が高まったことが影響しているとみられる。

◇「食事もスクールも満足」
今年度の35校のうち道外は26校。九州や中国地方など西日本の学校もあり、新千歳空港からバスで夕張入りするパターンが多い。数百人規模で宿泊施設やスキー教室、リフトなどを利用するため、地元にとっては大きな収入源。生徒にとっては地方財政の問題を学ぶきっかけになる。

17日には広島市立広島工業高校の2年生222人が夕張市内に2泊した。同校は、財政破綻前から夕張でスキー修学旅行を行っており、森川武校長は「破綻のニュースを聞いて大変なことになったと思ったが、スキー場のスタッフとも良い関係を築いているので、修学旅行の場所は変えず、夕張で継続したい」と話す。旅行前には各クラスで財政破綻について学習したという。

今年初めて修学旅行先に夕張を選んだ神奈川県立新羽(にっぱ)高校は、今月9〜11日に2年生257人が訪れた。引率した大代(だいだい)忠利教諭(43)は「雪質の良い北海道でスキーをしたいという希望が多かったので夕張を選んだ。破綻した夕張で実施できるか不安だったが、食事もスクールの内容も満足できるものだった。行って良かった」と振り返る。

修学旅行の調査・研究を行う全国修学旅行研究協会(本部・東京都)は「財政破綻のニュース性や、夕張支援の意味合いから候補地にする学校は増えている」と分析する。文部科学省も夕張を積極的にPRするよう同協会へ提案している。

一方、北海道を訪れる修学旅行客は年々減少している。北海道観光連盟によると、道外から北海道を訪れる修学旅行生は02年度の約24万人をピークに減少傾向にあり、07年度は約15万人にとどまっている。同連盟は「少子化の影響もあると思うが、沖縄や九州方面に持っていかれている」とみている。
(毎日新聞)