近江鉄道(彦根市)は11日、同市で経営する「彦根プリンスホテル」や高島市の「箱館山スキー場」など3スキー場を売却すると発表した。四施設で数10億円規模の累積赤字を抱えているとみられ、事業と従業員の雇用の継続を条件に売却先を近く決める。赤字幅の大きかったホテル、スキー事業からの撤退で、観光事業のリストラを一段落させるとしている。

売却先は未定だが、国内外の投資家や関連業者数社と交渉している。年内にスキー場3カ所を、その後にホテルの譲渡先を決め、雇用継続を望む従業員は転籍させるとしている。

彦根プリンスは1981年に開業。鉄筋10階建ての延べ床面積約1万平方メートルで客室100室や宴会場3カ所を構え、湖東・湖北地域の有力な総合型ホテルとして知られた。しかし、開業以来、ほぼ毎年経常赤字が続き、2006年度までの10年間だけでも約6億円の累積赤字が発生していた。

スキー場は、箱館山のほか、高島市の「国境スキー場」、福井県大野市の「福井和泉スキー場」の3カ所。レジャーの多様化や近年の暖冬による雪不足で利用者が減り、10年間で約4億円の累積赤字を計上していた。

近江鉄道は05年から観光事業の再編に着手し、同年に米原市の旧伊吹山スキー場を売却したほか、今年9月末にも大津市や彦根市のボーリング場2カ所を営業停止するなど、不採算事業の切り離しを進めてきた。

彦根市役所で会見した中村隆司常務は「残念な結果だが、営業継続を前提に譲渡先を探したい。観光事業の整理にめどがついたので、新たな事業展開を模索したい」と話している。
(京都新聞)