Web東奥/とうおう写真館・あおもり昆虫記/ウエツキブナハムシブナの木の葉が茶色に変色する「ブナの葉枯れ」が、鶴岡市(旧朝日村)の国道112号「月山新道」など、庄内地方4カ所の国有林で大発生していることが、庄内森林管理署などの調べで分かった。

山肌一帯のブナが一挙に葉枯れした個所もあるなど、被害面積は「把握できない」と大規模に及ぶ。被害は数年で収まるとみられているが、紅葉シーズンを前にした思わぬ事態に、関係者らは顔を曇らせている。

同署と県などによると、被害が確認されているのは、鶴岡市田麦俣の湯殿山スキー場付近をはじめ、庄内町立谷沢、酒田市八幡地区青沢と同市平田地区の田沢川ダム周辺の4カ所。8月下旬ごろに標高500メートル以上のブナの葉が黄色に変色し、9月上旬になって茶色に枯れ始めたという。

同管理署と県が現地調査した結果、体長約6・5ミリの「ウエツキブナハムシ」の幼虫を確認し、食害被害と判明。県内での被害は04年に最上地方で確認されたというが、今年の大発生の原因については「分からない」と首をかしげる。

庄内地方の広葉樹林は、数年前からの「ナラ枯れ」被害に加え、ブナ枯れのダブルパンチに襲われた。担当者らは「葉枯れしたブナの葉は早めに落葉してしまうので、被害地域での例年のような紅葉は望めないのではないか」と残念そうに口をそろえていた。

昆虫に詳しい東京大学大学院農学生命科学研究科の鎌田直人准教授(森林昆虫)は「被害が収まるまで1〜2年かかるかもしれないが、木が枯れることはめったにないので放っておいても大丈夫。これまでの被害は九州地方で多く、90年代まで東北ではなかった。しかし94年に岩手県の旧湯田町で大発生するなど、近年は東北でも見られるようになった。はっきりした原因は不明だが、温暖化などの気候変化が関係しているのではないか」と話している。
(毎日新聞)